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TOP > ユーザーコンテンツ > エッセイ > ゲーム日記特別篇「カイと杉浦武夫のオリジン・ゲーム日記」
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ゲーム日記特別篇
「カイと杉浦武夫のオリジン・ゲーム日記」


 ORIGINS(オリジン)というのをご存知だろうか。

 テーブルトークRPGからボードゲーム、トレーディング・カードゲーム、ミニチュアゲーム、ウォーゲーム、なんでもありの一大ゲーム大会−−ゲームファンなら一度は参加したい本場アメリカのビッグイベントだ。
 日本では8月にJGCが開催されるが、アメリカだけにその規模がちがう。なにしろ参加者総数が……よくわからないが、ともかくすごい数なのだ。*1

 というわけで、今年はモンコレのディベロッパーこと杉浦武夫(以下タケオクン)とカイが、オハイオ州コロンバスで開かれるオリジン98に行ってきた。
 英語はまったくしゃべれないこの二人、期待より不安が先立つ中、一路アメリカへと旅立った。今回はその顛末をレポートする。
(*印の注は安田均のコメントです)
*1オリジンは1986〜93年まで、ぼく(安田)は毎年行っていた。ジェンコン(GENCON)と並んでアメリカの大規模なゲーム大会の代名詞だったが、90年代に入ると、RPG中心のジェンコンの方が大きくなる。それでも、1万人規模を集め、ウォーゲームボードゲームなどまで含んだ大きな大会となると、オリジンを抜かすことはできない。

 近年はTCGも幅広く行ない、そして、今年はメイフェア社を中心にボードゲームにもなにやら活気がある(スローガンが‘メイフェアは不死鳥のように甦る!’)と聞いたので、カイとタケオが急遽向かったのだが……。



○98年7月1日(出発前夜)

 去年の9月に発売された「モンスター・コレクションTCG」が好調の波に乗りつづけているいま、ディベロッパーたるタケオクンは猛烈に忙しい。

 そんな時期に日本を留守にするとなると、どうなるか。当然のごとく、3日ほど事務所に泊まり込んで徹夜で原稿書き、という事態に陥る。
 おかげで出発前日7月1日、タケオクンは英語どころか、日本語さえまともにしゃべれないまでに疲れきっていた。

 しどろもどろで仕事の連絡をしようとするタケオクンを見て、われらがボス安田均と村川忍はゲラゲラと笑ってる。*2


*2:顔で笑っているように見えて、内心は穏やかではなかった。ちょうど同時期に、大阪でモンコレの第1回の公認大会がある。ルール面の要はタケオなので、ヘッドジャッジが誰になるのか、決めかねていたからだ。


安田「まあまあ、しばらく仕事のことは忘れて思いきり遊んでこいよ」
村川「そういうことだから、カイ、杉浦のことは頼んだよ」
 いや、ポンと肩を叩かれても……ほんとにタケオクン、手がつけられないほど壊れてるんですけど。

 そもそも、ど〜してだれも「カイのことは頼んだよ、杉浦」って言ってくれないんだ? 守られるべきは女性のはずなのに〜。



○98年7月2日(出発当日)

 関空12:00の待ち合わせは、うまく落ち合えた。
 タケオクンはSNEのホームページ用「古代帝国の遺産FAQ」のディスクを関空から事務所あてに送付。今朝までかかって仕上げたんだろう、ほとんど目がいっちゃってる。

 搭乗手続きを済ませた後、本屋に行って開催地「コロンバス」の載っているガイドブックを探す。が、探せど探せど見つからない。
 われわれはとうとう、行く先の情報をなに一つ手に入れないまま出発するはめになった。

 タケオクンがアメリカ地図で「コロンバス」を調べたところ、同名の都市が4個所も見つかったそうだ。で、「僕らはそのうちのどこに行くんですか。コロンバスって4つもあるんですよ、4つも〜」とぼやきつづけている。
 だから、オハイオ州のコロンバスだってば……オリジンのパンフを見せたでしょ?

「でも、あれ、全部、英語で書いてましたやん」

 そんなやりとりをしながらふと時計を見ると、なんと出発の5分前。あわててノースウエスト航空24便に駆け込む。



○機内にて

 座席について、シートベルトを締め、ほっと一息。
「ふうぅ、間に合ってよかったね」
 タケオクンに声をかけるも返答なく、すでに彼は爆睡モード。
 ま、疲れきってるんだろうけどね、一言お愛想ぐらい言ってから寝てよ。

 離陸後、オシボリを配りに来た日本人スチュワーデスが、寝ているタケオクンにいきなり話しかける。

”EXCUSE ME,SIR?”

 びっくりして跳ね起きるタケオクン。

「あ、日本人の方でしたか……」

 あの、どう見てもニッポンジンなんだけど。


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