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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > 『シルバーレイン リプレイ』(2008年06月)
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『シルバーレイン リプレイ著者インタビュー』

☆シルバーレイン紹介

 かつて世界には「詠唱銀」が満ちていた――
 人に超常の力をもたらし、世にゴーストを呼ぶものが――
 人とゴーストは長く戦い続けた。
 そして《世界結界》による
 詠唱銀の放逐が、超常を忘却させ
 人類はようやく平和を手にした。
 平穏な《忘却期》は700年続いた。

 世界結界に生じた《綻び》
 そこから"銀の雨"が降り注いだ。
 詠唱銀が世に戻り、ゴーストが甦る。
 人類は戦うすべなく滅びるだけなのか――

 少年少女たちだけが"常識"の戒めを打ち破り、力に目覚める!
 超常の「アビリティ」をふるい、ゴーストを滅する能力者となって、
 拠点「銀誓館学園」に集う――
 人類の 新しい歴史が 今、始まる――

(『シルバーレイン公式ガイドブック』巻頭より)


『シルバーレイン』はトミーウォーカーさんが運営しておられる大人気PBW(プレイ・バイ・ウェブ)。簡単に言うと、ウェブ上でRPGを遊んでしまおうというものですが、公認オフ会では千人近くの参加者を集めるというのですから、その規模の大きさは推して知るべし。
 ゲームを遊ぶのに必要なのはウェブブラウザとE-mailアドレスだけ、という若い参加者に優しいシステムであることも、その人気の理由のひとつでしょう。
 参加者の分身となるキャラクターはすべて、特殊な能力に目覚めた小学生から高校生までの生徒で、「銀誓館学園」に通っているという設定です。
 ゲーム内時間は現実時間と完全にリンクしており、学校行事はリアルタイムで開催されますし、キャラクターはいつかは学園を卒業していくことになります。
 年を重ねれば、それだけ人は常識にとらわれ、目覚めた能力にしがみつけば、それだけ心が歪んでゆく。
 敵たるゴーストと戦い、人類を救えるのは、ありのままに世界を見通せるオレたちだけ。

 この、いままさに己の分身が世界の危機と闘っているという"選ばれた感"が、若い人たちにはたまらない"カタルシス"を、そして大人には"少年時代への郷愁"をもたらすのでしょうか。
 
☆「シルバーレイン・プロジェクト

『シルバーレイン』という大きなタイトルに関わることになったグループSNE。
 まず最初のお仕事は『シルバーレイン 公式ガイドブック』でした(発行:トミーウォーカー 発売:エンターブレイン)。
 豊富な絵素材を最大限活用し、フルカラーの豪華本(お値段、なんと1000円!)です。これから『シルバーレイン』PBWをはじめようという方にはもちろん、すでに遊んでいる方にもデータ集として使っていただける、充実した一冊となりました。
 PBW最大の楽しみはGMの用意するシナリオに自分のキャラクターの行動を書き送り、リプレイとして書き起こしてもらうことでしょう。
 『シルバーレイン』PBWでは、それに加えてキャラ作成やシミュレーションゲーム体験版は無料で利用でき、さらに課金なしに自由にリプレイを読んだり、イラストを見て楽しむことができます。
 RPGをやってみたいけれど、いっしょに遊べる友だちがいないという方、ぜひこのガイドブックを見ながら、最初の一歩を踏みだしてみてください(かくいう筆者もずいぶんとお世話になりました)。(シルバーレインPBW公式サイト)
 そして、08年6月11日、ついに『シルバーレインRPG』が刊行の運びとなりました(発行:トミーウォーカー 発売:エンターブレイン)。
 こちらもフルカラー、しかもカード60枚付きで3000円という常識破りの一冊。
 これら2冊については、シルバーレイン・プロジェクトサイトにて監修・執筆陣の友野詳篠谷志乃安道やすみちが製作秘話を熱く語っておりますので、ぜひご覧ください。
 
2008年06月 発行
記事作成 笠井道子


☆『シルバーレインRPG』プロデューサー安田均インタビュー

*いきさつ
笠井 というわけで、08年06月11日、ついに『シルバーレインRPG』が刊行されました。
安田 はい。で、ぼくはなにを聞かれるのな。
笠井 それがですね、製作秘話についてはシルバーレイン・プロジェクト」のサイトで友野さんやら安道さんやらが、語りつくしておられまして。
安田 あいつらしゃべりすぎやな(笑)。
笠井 なので、まずはグループSNEが『シルバーレイン』と関わることになったいきさつを聞かせていただきたいな、と。
安田 きみは『シルバーレインRPG』巻末の「プロデューサーノート」は読んだかね。
笠井 (しまった、そこは忘れてた!)……も、もちろん読みましたとも(汗)。でも、まだルールブックを手に入れておられない読者のために、ぜひ改めてお話を。
安田 じつは、あれにはいきさつの部分はあまり詳しく書いてないんだよ。今日の日のためにちゃんと残しておいたんだ。
(笠井 また、そういう口からでまかせを――(笑))
安田 去年(07年)のはじめごろだったか、東京で編集者の宮野さんと会ったときに、トミーウォーカー社長の上村さんが『シルバーレイン』PBWのロールプレイングゲーム化を考えておられると聞いて。
笠井 ……それってただの茶飲み話だったんじゃ?
安田 うん、グループSNEにやってほしいというようなことは、ひとことも言われなかったよ(笑)。でも、上村さんとは面識もあるし、「それなら、ぜひうちでやらせてもらえないか」と申し出て、後日、宮野さんから電話で打診してもらったんです。そのとき、ちょうど上村さんはコンビニかどこかにいて……
笠井 はあ?
安田 突然の電話で「え、(グループSNEで)やってもらえるんですか!」と叫んでしまって恥ずかしかった――という話を後で聞いた。
笠井 それはまた貴重な裏話を(笑)。
*神戸⇔札幌
安田 ぼくの言いだした話だから、こちらからご挨拶に行くのが筋だろうとということで、去年の夏、東京で編集の宮野さんと合流して、札幌に直行して上村さんにご挨拶して……
笠井 あ、あのとつぜんの北海道旅行は単に「行きたかったから」じゃないんですね。
安田 ちがうちがう(笑)。で、メチャ暑かった札幌から東京に戻って打ち合わせ、それから神戸に帰ってきたその足で社員旅行で岡山に行き、炎天下の倉敷を散策して倒れた、と(笑)。真夏に日本縦断やな。いま考えれば、あのころから血糖値、高かったんやろなあ……(「安田均、倒れる」の顛末についてはこちら)。でも、いまは体重も減り、血糖値も正常にもどりましたので、ご安心ください(笑)。
笠井 上村さんとはその後、何度も打ち合わせなどでお会いになったんですよね。
安田 「こちらから行きます」とか「東京で会いましょう」と言っても、札幌から直行便ですぐだから、とトミーウォーカー社長みずから神戸まで来てくださり、ときには事務所に泊まり込んでまで。で、たまにはこちらから行かなアカンやろ、ということで……
笠井 今年の3月、札幌まで「スキー合宿」に行った……。
安田 いや、べつにスキーだけにいったわけじゃないよ(笑)。夜は上村さんやシルバーレイン班はちゃんとテストプレイをやってたんだから。
*『シルバーレイン・ガイドブック』と『シルバーレインRPG』
笠井 グループSNEで『シルバーレインRPG』を作るとは聞いていたのですが、それに先立って『シルバーレイン・ガイドブック』(PBWの解説書)を手がけることになりましたね。
安田 そう、親しくお付き合いしているイラストレーターの合鴨ひろゆきさんがすごく『シルバーレイン』に詳しくて、彼女の指導のもとPBWも楽しんでたんですよ。
笠井 RPGを作るからには、PBWのほうもしっかり理解してる必要がありますしね。
安田 そうです、元々あるフレイバーはきちんと押さえないとね。けれど、トミーウォーカーさんはすごくお忙しいみたいだったから……
笠井 私は知らなかったんですが、『シルバーレイン』はオフ会にも大勢の人が集まる、巨大PBWなんですね。運営される側はそれは大変でしょう。
安田 なんです。それで、もともとの世界観がとてもよいものなので、ぜひそちらもちゃんと紹介させてください、とお願いして、書かせていただきました。
笠井 それと並行して『シルバーレインRPG』のプロジェクトも進行していたわけですが、SNE内でのデザイン・執筆陣はどのようにして決まったのでしょうか。
安田 同時期に『ソード・ワールド2.0(以下SW2.0)』『モンスター・コレクションTCG(以下モンコレ)』の企画が進んでいて、ぼくはどこに力を入れていいやらわからなくて(笑)。
笠井 そうでした、大変な一年でしたね。
安田 まあ、加藤(ヒロノリ)や杉浦(武夫)とモンコレをメインにやっていたんだけど、6月29日、東京で開催されるSW2.0とシルバーレインの合同コンベンションでは、ぼくは『SW2.0』でマスターを、トークショーで『シルバーレインRPG』を担当することになりました。よろしくお願いします(笑)。
笠井 ほぼ同時期に刊行される『SW2.0』との差別化というか、ちがった個性を出すという意味で、本人の希望も含めて、友野詳、安道やすみち、篠谷志乃というメンバーが選ばれたわけですね。
安田 そのほうが張り合いも出るだろうしね。
*『シルバーレインRPG』ここがお勧め!
笠井 そうした苦労のすえ、無事に刊行となったわけですが、『シルバーレインRPG』のここがお勧め!というポイントはどのあたりでしょうか。
安田 とにかく遊びやすいゲームになりました! ぼくは『ゴーストハンターRPG』以来、ルールブックにカードを入れるというのが大好きで。
笠井 おう、そういえば『シルバーレインRPG』はダイスをいっさい使わないシステムで、ルールブックにはフルカラー60枚のカードがついてるんですね。
安田 今回、べつにぼくが指示したわけじゃないんだけれど、デザイナーの安道やすみちがとつぜん、多くの人にRPGを楽しんでもらうために、カードで判定を処理するシステムにしたいと言いだして。
笠井 このカード、ものすごく効いてますね。小耳にはさんだんですが、ボスが教鞭をとっておられる大学の講義で『シルバーレインRPG』をプレイされたとき、すごく盛り上がったと聞いてます。ふだん大学の学生さんは「テーブルトークRPG? は?」って感じで、ほとんどだれも発言しないんですけれど。
安田 ゲーマーはサイコロを使ってゲームを遊ぶのを当たり前のように思ってますが、ふつうの人はそうじゃないんです(笑)。
笠井 じつは、私もはじめてRPGを遊んだとき、他のプレイヤーがいちいち立ち上がってサイコロをふるのを見て「なんだぁ、この人たち?!」と思いましたもの。
安田 RPGといってもコンピュータゲームしか知らない人には、サイコロよりカードのほうが入りやすいんです。その点は今回の大きな発見でしたね。
笠井 カードにはアクトワード(台詞)が書かれていて、それを読むだけでロールプレイになるし、ご褒美(ゲーム中便利に使える「運命の糸」)ももらえますし……
安田 イラストやコミックに高い意識をもった学生が相手だったこともあるだろうけれど、なにより絵素材があるのがゲーム世界に入りやすい最大の要因だと思います。
笠井 PBWの豊富なイラストを利用できるのは本当に大きな強みですね。
安田 それがあると、いまの世代の人たちは抵抗なく入れるんだね。ただ、カードを使うからといって、即興のノリだけのゲームではなく、ゲーマーにも楽しんでもらえるちゃんとしたRPGになったと思います。
笠井 『シルバーレイン』の世界はリアルタイムで刻々と変化しています。それに合わせて、今後は追加カードなども?
安田 もちろん。ただ、トレーディング・カードのようにいっぱいそろえないとだめ、というのではなく、サプリメントとしてゲーム内イベントに即した形で追加していければと思っています。
笠井 もうひとつ、『シルバーレイン』ではPBWとRPGの双方で、データに完全互換性があるんですね。たとえばPBWのキャラクターをそのままTRGPに流用して遊べる、とか。
安田 本来なら当然のことなんだけど、じっさいに実現するとなると難しい。でも、そのあたり、トミーウォーカーさんはアナログゲームが大好きで、よくご存じですからうまくいきましたね。
*これからの展開
笠井 では最後になりましたが、グループSNEでの『シルバーレイン』の今後の展開についてお聞きしたいと思います。
安田 さっきお話ししたRPGのサプリメントはもちろんですが、われわれは、ずっとゲームをとおして世界観とストーリーの展開をやってきましたし、『シルバーレイン』でもそれはやっていきたいと思っています。
笠井 まず、RPGのじっさいのプレイの様子を読み物にした『シルバーレインRPGリプレイ 白き女王の夜』が6月末刊行予定で、執筆者の篠谷さんには後ほどインタビューさせていただきます。その後もいろいろと企画は進んでいるのでしょうか。
安田 はい、トミーウォーカーさんからもどんどん展開するよう応援していただいていますので、友野詳にはぜひ頑張って力作長編を書いてもらいたいですね。これからも面白いことを仕掛けていきますので、楽しみにしていてください。
笠井 本日はありがとうございました。


☆トミーウォーカー上村より
 
 はじめましてorこんにちは、トミーウォーカー代表の上村大です。コミケで同人RPGを作っていたら、いろいろあってグループSNEさまに作品を作っていただけることになりました!(はしょりすぎ)

 今回のプロジェクトでは、本当に色々新鮮な体験をさせていただきました。『シルバーレイン』のロケハンのために、漫画「神戸在住」を頼りに坂道の多い神戸を歩き回ったり、グループSNEの書庫で「アルスマギカ」「レジェンド・オブ・ファイブ・リングス」を読みふけったり、すごいメンツと「エムブリオマシン」「王宮のささやき」をプレイしたり……。

 いやいやもちろん、ただ遊びに行った訳ではなくて、何と言っても出来上がりつつあった『シルバーレインRPG』のテストプレイが本当に楽しくて、何度も神戸にお邪魔していた訳です。……あれ、結局遊びに行ったのか?

 アフロイケメン安道やすみちさんの無軌道なパワーから生まれた『シルバーレインRPG』は、PBW版の知識が無くても本当におもしろく、遊びやすいゲームになっています。そして関連リプレイや長編小説も、これからどんどん展開されていきます。PBW版も負けないように怒涛の展開が続きますので、ぜひチェックしてみてくださいね!


☆シルバーレインRPGリプレイ(篠谷インタビュー)

 
『シルバーレインRPGリプレイ 白き女王の夜』
   監修:友野詳&上村大 著=篠谷志乃/グループSNE
   発売:6月30日 予価672円 発行:トミーウォーカー 発売:エンターブレイン

 超能力者の集まる「銀誓館学園」に転校してきた熱血高校1年生、主人公の千条宰(つかさ)。宰に淡い恋心を抱くしっかり者の同級生、園枝蜜貴。態度は尊大だけど意外にナイーブな金髪碧眼の中学2年生、ルチカ・サエグサ。冷静沈着、気障な決め台詞と昆虫萌えのギャップが愛しい小学4年生、時宮戒。能力者として目覚めたばかりの宰を、三人の仲間が支えながら幾多の冒険をこなしていく姿を生き生きと描いたRPGリプレイ。


 篠谷志乃は、『シルバーレイン・公式ガイドブック』の執筆者でもあり、これまでも『六門世界RPG』『ソード・ワールド1st』のリプレイ、多くの小説を手がけてきた作家です。今日は『シルバーレインRPG』の最初のストーリー展開となるリプレイについて語ってもらいました。
 
**リプレイの役割と魅力
笠井 リプレイ刊行、まもなくですね。まだ原稿段階でしたけれど、現実にある場所を舞台にしたゴーストストーリーということで、とても楽しく読みました。
篠谷 ありがとうございます。
笠井 リプレイを執筆するにあたって、篠谷さんがとくに心がけた点というのはありますか。
篠谷 『シルバーレイン』がRPGになったことで、PBW、RPG両方の方が読者になってくださると思ったんです。なので、RPG初心者の方はもちろん、PBWから入ってこられる方にもわかりやすい流れを作るよう気をつけました。
笠井 プレイヤーにはSNEのメンバーの力造『シルバーレイン』初心者として参加してますね。
篠谷 はい。PBWではキャラを作ったらすぐに冒険に出てしまうので、じっさいに銀誓館学園に入学して学校生活をしながら、いかに依頼を受け、それをこなすかといったところは当たり前のように受けとめられているんですよ。
笠井 田舎から出てきた力造のキャラ(千条宰)が銀誓館に入学するところからリプレイが始まるのは、そうした理由から?
篠谷 ええ、そうやって能力者としても新米の宰(つかさ)の視点を借りて、依頼を受けるまでの流れなどを丁寧に追うようにしました。
笠井 工夫のかいあって、宰をはじめ、登場人物のそれぞれがとても個性豊かになったね。あと『シルバーレイン』はすでにPBWで展開されてるので、ともかくデータが豊富。PBWではそうしたパラメータは自動で処理されるんだけど、RPGではそうはいかないよね。
篠谷 なので基本的なルールの使用シーンはできるだけきちんと説明するよう心がけました。
笠井 そして、力造さんが初心者プレイヤー代表とすれば、その対極にすごい方が……
篠谷 はい、トミーウォーカー社長の上村さんが(笑)。セッションに入っていただけるとわかった瞬間、これはお名前を出さなきゃ嘘だろうと。
笠井 SNEのリプレイはプレイヤー名を伏せるのがふつうなんだけど、今回はイラストレーターの合鴨ひろゆきさんも入ってくださったし。さすが、みなさん、ロールプレイがお上手で。
篠谷 はい、もんんんんんんんーのすごく(笑)。でも、おかげでセッション自体、とても盛り上がりました。解説本のような無味乾燥なリプレイにならず、読んで楽しんでいただけるものになったと思います。
笠井 ゴーストストーリーの部分ではいい感じの恐怖を味わい、プレイヤーたちの掛け合いには思い切り笑わせてもらいました。ところで、1巻のリプレイ収録のときって、RPGのルールは完成してたの?
篠谷 基本は固まっていて、細部の調整の段階でした。それで今回はセッション中、後ろに監修の友野さんやデザイナーの安道さんに立ってもらって、そのつど修正を反映していく方法をとりました。上村さんもすぐに(キャラクターを離れて)ご意見をくださったり。
笠井 RPGのルールってじっさいやってみてわかる、ということが多いですもんね。
篠谷 はい、みなさんからいろいろご意見をいただきながら、それを即座にルールに反映できたのがよかったですね。
*じっさいにプレイしてみて
笠井 PBWにはない『シルバーレインRPG』のオリジナル要素としてアクトワードチャプター進行運命予報士などがあるんだけど、じっさいに篠谷さんがプレイしてみて、そのあたりはどうでした? まずチャプター制から。

 チャプター制:1つのミッションをいくつかのチャプターに区切り、マスターがチャプターの終了条件を提示し、プレイヤーはその終了条件を満たすよう自分たちでとるべき行動を考えます
 
篠谷 これがあると、プレイヤー主導のセッションになるんですよ。最終目標に向かってチャプターを細かく区切って、プレイヤーたち自身がそこに向かって全力を尽くし、休憩して、またつぎに向って全力を尽くす、という。
笠井 リプレイを読んでいてもマスターする側は管理しやすく、かつメリハリをつけやすい、という印象だったね。あと……運命予報士(セッション開始時にプレイヤーに使命を与えるNPC)は、便利すぎてズルいな、と。
篠谷 ズルい、ですか(笑)。運命予報士が任務の内容を伝えるとき、上村さんや力造さんには「NPC化されたオープニング・チャプター」とかさんざん言われましたけど。
笠井 それだけじゃなく、セッション中にも登場させて、軌道修正できるし。
篠谷 じっさい、「はっ! いま閃いたわ!」とか運命予報士に言わせて、情報を追加したこともあります。
笠井 後出しOKは初心者マスターには嬉しいシステムだね。
篠谷 そうした初心者への工夫は随所にちりばめられているけれど、それを邪魔に感じるベテラン・マスターは気にせず、いつものやり方で進めてもらえばいい……と、監修の友野さんがおっしゃってました(笑)。
笠井 そして、もう一つ、リプレイで印象に残ったのが「アクトワード」。

アクトワード:プレイヤーの使用するカードにはロールプレイの指針となる3つの単語と1つの台詞が書かれています(例:「対抗心」「怒り」「強がり」「負けない! ひかない! ひるまない!」)。ロールプレイを思いつかないときには、これらの単語や台詞を読むだけでも大丈夫
 
笠井 「アクトワード」はあくまでロールプレイの補佐なのに、ロールプレイお手の物のプレイヤーたちがカードを出すたび、いちいち「アクトカード」にからめてロールプレイしたり決め台詞を言おうとするのがおかしくて。
篠谷 ええ、もうぽんぽん言葉が飛び出してくるので、元の「アクトワード」がなんなのか、後で確かめるのが大変でした。リプレイならではの苦労ですね(笑)。
笠井 即興のロールプレイを思いつかない場合でも、「アクトワード」を読みあげるだけで、「運命の糸」というゲーム的に非常に便利なアイテムがもらえるんですよね。で、キャラシートにはこれを管理するチェックボックスがついているんですが……
篠谷 ひんぱんに増減するものなので、そのうちテーブル中が消しゴムの滓だらけになります(笑)。
笠井 なので、100均で売っているようなポーカーのチップなどを「運命の糸」として渡すといいんじゃないでしょうか。
篠谷 目に見えるようにすると初心者の方にも喜んでいただけますし、SNEでもこれを採用しています。みなさんもぜひお試しください。
笠井 あと、これはアナログゲームの宿命というべきなんだけど、やはり最初は用語やルールに戸惑うことありますよね。
篠谷 ですので、はじめて『シルバーレインRPG』でキャラを作るとき、まずPBWで作っていただいくのもひとつの手かもしれません。
笠井 あ、それはいいな。
篠谷 そうして作ったキャラを元にカスタマイズなどしてもらったら、用語もすんなり理解していただけますし。そして、じっさい遊ぶときの窓口としてリプレイを使っていただければ、と……宣伝、宣伝(笑)。
笠井 RPGを知ってる方は黙っていてもリプレイを参考にしてくださるだろうけど、PBWから入ってこられる方は「これ、なんだろう」と面喰ったり?
篠谷 「なにっ? この台本みたいなの」って(笑)。PBWにもリプレイはあるんですけれど、あれはもっと小説寄りですし。その布石としてガイドブックに「アイコン:台詞」「アイコン:台詞」とリプレイ風のコラムを掲載したんですが。
笠井 「いや、むしろPBWからRPGに入ってこられるお客様もおられるので、新鮮な反応を楽しみにしています」と、これも友野さんが(笑)。横書きに慣れてるので縦書きは読みにくいとか、アイコンがないとだれの発言かわかりにくい、とか。
篠谷 それ、ありそうだー(笑)。もうひとつ、PBWではプレイヤーは完全に隠れてしまうんですけれど、RPGリプレイではプレイヤーが透けて見えるんですよね。
笠井 ああ、(今度のリプレイでは)小学生キャラの向こうに、昭和の香りのする男性が見え隠れしてたねえ。
篠谷 はい、私の趣味もあるんでしょうが、リプレイ全体がなんだか妙に「昭和」な雰囲気になっちゃいました(笑)。


☆『シルバーレイン』リプレイの今後とメガリスドライブ

笠井 リプレイ1巻では主人公・千条宰にまつわる謎がすこしずつ明らかになり、これから大きなストーリーが動きだす、という印象を受けましたけれど。
篠谷 はい、同じプレイヤーによるリプレイが3巻まで決定しています。2巻はすでに、収録を終えて、原稿執筆段階です。好評なら、さらに続編もあるかな、と。
笠井 そうしたらまた、上村さんに神戸まで通っていただかなきゃいけないんじゃ? 他の人が代打ちするの絶対無理だよ、上村さんのキャラ(やたらと冷静沈着で気障だけど、昆虫萌えの小学生)。
友野 (いきなり)いや、たぶん喜んで来てくれはると思うよ。あと、ストーリー面ではぼくも長編小説を書く予定やからね。
笠井 おお、友野さん、いつからそこに!
友野 さっきからずっといたやんか、白々しい(笑)。
笠井 では、せっかくですから、そのまま同席してもらって――PBWのほうでSNEのメンバーがマスターすることは考えてないんですか。
友野 いや、もちろん考えてるよ。たとえば新しいジョブを追加しようと思っても、RPGだけで勝手にはできへんし、PBWでみなさんに冒険に参加していただかなアカンからね。まだどんな形になるかは決めてへんけれど、いま企画を考え中です。
笠井 それから、シルバーレイン・プロジェクトのサイトに、無料でダウンロードできるチャットソフト「メガリスドライブ」が掲載されました。これがあると現在、他の人の立てているセッションが一覧できて、ネット接続できる環境さえあれば自由に参加できるんですね。
篠谷 はい、全員でひとつの山札を共有してロールカードを引きながら、チャットを使ってオンライン・セッションができるソフトなんです。自分でセッションを立てることもできますし。
笠井 なんて便利なんだ!
篠谷 トミーウォーカーさんからは「ルールブック発売日にアップしますよ」と聞いてて。
友野 とは言うても、さすがにそれは無理やないかと思ってましたが、発売日にきっちり上がっていて、びっくりしたね。
笠井 こうしたところからPBWとRPG、双方の交流がはじまると嬉しいですねえ。
篠谷 はい、『シルバーレイン』はリアルタイムに変化する世界ですから、両方の面白さを味わっていただければ、どんどん楽しさが広がっていくと思います。
笠井 というわけで、『シルバーレイン』ってなんだろう? と思っていらっしゃる方も、『シルバーレイン』のことならお任せという方も、ぜひ篠谷志乃の『シルバーレインRPGリプレイ 白き女王の夜』をお手にとっていただきたく思います。

シルバーレイン公式イベントなどの情報はこちら
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