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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > モンコレTCG『暗黒卿の秘儀』発売記念インタビュー(2011年03月)
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モンコレTCG『暗黒卿の秘儀』
発売記念インタビュー(2011年03月)

■ はじめに
 2008年7月に『神霊獣の咆哮』が発売されて早三年。
モンスター・コレクションTCG(以下・モンコレ)』は、順調にカードセットを発売し続けています。
 また、2010年8月にはドラマCDという新たなジャンルにまで進出しました。
 そんな飛躍を続けるモンコレについて、監修であり我らがボス安田均、デザイナーの加藤ヒロノリ、ディベロッパーの杉浦武夫を招いてお話を聞かせてもらうことにしました。
 加藤さんと杉浦さんにはモンコレの最新アニバーサリーセット『
暗黒卿の秘儀(以下・「暗黒卿」)』の製作秘話やドラマCDについて。
 安田社長にはこれからのモンコレについて、いろいろ聞き出そうと思います!

 なぜインタビューをするか?
 それは愚問である。
 筆者(大井雄紀)がモンコレを大好きだからだ!!
2011年3月 発行
記事作成 大井雄紀
■はじまりはじまりー
―― それでは、モンコレの著者インタビューを始めたいと思います。最初は加藤さんと杉浦さんにお話をお聞きします。本日はよろしくお願いします!
加藤杉浦 よろしくお願いします。
―― では、まずはじめにホットな話題から。つい先日発売された「暗黒卿」についてお聞きします。
加藤: はい。

「暗黒卿」とは。
 Stage2を占める全156種類のカードセットだ。従来のモンコレファンにはたまらない人気カードの再録や、魅力的な儀式地形や新コンセプトのカードが数多く収録されているぞ。

 製品情報を見る→『暗黒卿の秘儀』

―― 「暗黒卿」の発売がこの間(2011年2月20日)だったわけですが、2008年、アニバーサリーセット1『神霊獣の咆哮』で復活してから、何個目のセットなのでしょうか?
加藤: 数えたことない!杉浦、数えて。
一同 (笑)。
杉浦 アペンド・カードセットや構築済みデックのセットも全部含めたら11セット目になります。
加藤 そんなにだっけ? あぁ、でももう3年目になるんやもんなぁ。
杉浦 「暗黒卿」は一年間展開を続けてきたStage2を締める大きなセット(全156種類のカードがあるセット)なんです。なのでさまざまな仕掛けをしてありますよ。
―― 話の振り、ありがとうございます(平伏)。
 
■ 特徴その1 「儀式地形
―― では、まず「暗黒卿」の特徴を教えてください。
加藤 「モンコレ・クロニクル」にも少し書きましたが、とりあえず、Stage2のメインテーマは「儀式」なんです。なので、「暗黒卿」でも「儀式地形」に力を入れました。

モンコレ・クロニクルとは。
株式会社ブロッコリー様のブログ、「ブログに書いておきますね」で定期的に更新される、モンコレ記事のことだ。定期的に毎回、発売前のカードの情報やイベント情報などを最速で配信してくださっているので、モンコレファンは要チェックだぞ。

杉浦 そうですね。「暗黒卿」で追加された儀式地形は全部で7枚なんです。少なく見えるかもしれませんけど、他のセットより多いんですよ。
―― それだけ入れたい儀式が多かったんですね。
加藤 正直いうと、「暗黒卿」の最初のほうのテストプレイでは、儀式地形は20枚ぐらいあったんだ。
―― :約3倍じゃないッスか(笑)。
加藤 うむ。ただ、「儀式地形ばっかりあってユーザーさんは本当に喜ぶのか」とか、「儀式地形じゃなくて、普通の地形カードで表現できるんじゃないか」とか……他にもいろいろ考えて、最終的に今の枚数で今の形になりました。
杉浦 いくつか儀式地形っぽい効果の地形カードがあるのは、その名残です。
―― 〈坑道〉とかそれっぽいですね。
杉浦 うんうん。
加藤 あとはいわゆる焼き儀式(ユニットを倒す系の儀式)ではなく、いままでのデックをサポートする系の儀式をつくりました。例えば「種族:ジャイアント」をフォローする儀式地形を作って、ジャイアントデックを組みやすくしたんです。たぶん、うまくいったんじゃないでしょうか。
杉浦 そうですね。いろいろ試行錯誤して、結果よい形に落とし込めたと思っています。
―― なるほど。「暗黒卿」の特徴は儀式地形であると
 
■ 特徴その2 コンセプトサポート
加藤 あと、「暗黒卿」では、いままでフォローしきれていなかったコンセプトを重点的にサポートしました。
杉浦 一枚だけぽつんと入っている〈フォクシアの影法師〉とかですね。
―― あー! 即時召喚できる4レベルの影法師! あれはフォクシアデックで待ち望んでいたカードですよ!
杉浦 他にもギルマンを強化したり、新しい戦闘スペルもいっぱい増やしました。特に戦闘スペルは、その属性ではできなかったことができるようになっています。
―― 〈リード・マインド〉とかですね。風スペルで戦闘スペルを打ち消せるカードが出るとは思いませんでしたよ。
杉浦 強いケンタウロスたちが追加されたので、道デック(「タイプ:道」の地形で強くなるユニットたちのデック)も強くなっています。
―― あぁ、ケンタウロスで思い出したのですが……この〈旋風姫シャイヤー〉っているじゃないですか。
加藤 おぉ、いるな。
―― これ、なんて読むんですか? つむじひめ?
加藤 なにをいう。当然、「せんぷうき」に決まっているじゃないか!
一同: (笑)。
―― え? 公式ですか?
加藤 (男らしく)おう! イラストだって、どう見てもそれっぽいの回しているじゃないか! 指定出したのはオラやけど!!

 どうやら、本当に「せんぷうき」と読むらしいです(笑)。
―― 話がそれてしまいました。まとめますと、「暗黒卿」の特徴その2は今までのコンセプトをサポートしたことであると。
加藤 はい。これで今まで組みにくかったデックが組みやすくなって、かゆいところに手が届く感じになったのではないでしょうか。
 
■ 特徴その3 新コンセプト
―― コンセプトサポートが特徴といいつつ、実は結構新コンセプトも増えていますよね。
加藤 もちろん、新しいカードセットなんですから、新しいこともしないと。
―― そのとおりだと思います。そして、モンコレファンが待ちに待っていたやつらの復活ですよ!
杉浦 サボテンマンたちですね。
サボテンマンはモンコレオリジナルのモンスター。見ての通り、なんともいえない愛嬌が漂うモンスターで、とても人気があった。
加藤 サボテンマンはずっと入れたかったんだ。でも、強さが極端だったから入れずらかった。
杉浦 昔のサボテンマンが即時召喚可で戻ってきたら誰もが絶対に使うカードになりますからね。

昔のサボテンマンは、相手の手札を【1D】枚破棄するという能力を持っていた。
加藤 なんでまぁ、どうするかをずっと悩んで、ある瞬間「もう、新しくしたらいいんじゃね?」と思い立ったんだ。それで気が付いたら、従来のサボテンマンは誰一人残っていなかった。
杉浦 前は「種族:プラント」だったのに、今は種族すら変わっていますからね(苦笑)。
加藤 いやいや、やつらはついに確固たる地位を手に入れたのですよ! ……もちろん、イメージを崩さないように、ずっとサボテンマンを書いてくださっていた田中としひささんにイラストをお願いするなどの工夫はしました。
―― なるほど。ちゃんとサボテンマンであると。
杉浦 あとはそうですね。マーマン&マーメイドの人魚デックも、「暗黒卿」で作れるようになりました。
―― あぁ、人魚デックいいですね。特に〈潮騒の王子イアソン〉
加藤 ミ○デイン(ドラ○ンクエストの呪文)撃つやつか。
―― こう、人数集めて威力を高めるっていう感じがとても人魚っぽくて好きです。
加藤 それはよかった。人魚デックは大変やったんよ。
―― そうなんですか?
杉浦 〈真珠の人魚姫メディア〉とは違うデックにしたかったんですよ。
加藤 そうそう。メディアはあくまでも変身デックで、マーメイドであることはぶっちゃけ関係なかった。だから、ちゃんとした人魚たちが集まって強くなる、人魚デックを作りたかったんだ。
杉浦 もちろん、メディアを入れる人魚デックも作れるので、とてもよいところに落ち着いたと思います。
加藤 「暗黒卿」には他にもデックを組みたくなる新しいコンセプトを盛り込んでいますので、ぜひ楽しんでください。
 
■ お気に入りカード
―― では、「暗黒卿」でお二人のお気に入りのカードを教えてください。
加藤 〈銀牙の女戦士ハロハロ〉〈ベオウルフの魔剣士〉! テストプレイでこの2枚を使った魔剣デックを使っていたら、楽しかってん。
―― レベル帯、ぜんぜんちゃいますけど(笑)。
加藤 いや、なんとかなっていたよ。
杉浦 ハロハロがいれば即時召喚でなんとかなりますし、ハロハロ自体が戦闘能力めちゃくちゃ高いですからね。
加藤 まぁ、ライカンスロープたちがどれも優秀で、変なこともしないから素直にデックが組めるし、ストレスなく使えるんだ。
―― なるほど。加藤さんのお気に入りはライカンスロープたちとハロハロであると。
加藤 うむ。あ、あと〈ドレッドホーン〉は好きやぞ。
―― ほぅ。なんでまた?
加藤 息子とカブトムシ捕りに行ったその日に作ったから!
一同: (笑)。
―― では、杉浦さんは?
杉浦 お気入りのカードは〈エレクトリック・アリゲーター〉〈サンダーバード〉ですね。
―― なんかこぅ、マニアックですね(笑)。
杉浦 そうかもしれないですが、オイラは好きなんです。この2種類を3枚ずつ使った〈大地のへそ〉デックを、「暗黒卿」発売と同時に作りました。
―― (素で)え? そんなに好きなんですか?
杉浦 はい。サンダーバードはボックスを5箱買ったのに3枚そろわなかったので、追加で3ボックス購入しました。
―― (好きすぎやろ・笑)。
 
■ ドラマCD
―― では、続きまして先日(2011年02月23日)発売された、モンスター・コレクションTCG ドラマCD 七星魔導史マフィン伝『魔剣の姫君と女神候補生』のお話を聞かせてください。
加藤 はい。
―― これは、2010年08月04日に発売された、モンスター・コレクションTCG ドラマCD 七星魔導史マフィン伝『魔剣の姫君と花園の歌姫』の続編であると考えてよいのでしょうか?
加藤 はい。とはいえ、純粋な続編というわけではなく、どちらの作品もドリブラとマフィンの長い長い冒険の一部を切り取ったものですので、片方だけ聞いてもらっても十分に楽しむことができます。もちろん、両方聞いてもらったほうが何倍も楽しめますが(笑)。

ドラマCD『魔剣の姫君と花園の歌姫』とは。
 モンコレのカードフレーバーテキストでおなじみの、〈魔剣姫ドリブラ〉と〈七星錬金術師マフィン〉が繰り広げる冒険の一部を描いたドラマCDだ。
 加藤ヒロノリ自らが脚本を手掛けているため、フレーバーテキストそのままのノリが魅力的な作品だ。
 『魔剣の姫君と女神候補生』は『魔剣の姫君と花園の歌姫』の続編にあたる。
 こちらもまた加藤ヒロノリが脚本を手掛けているため、ファン必見のドラマCDになっているぞ。

→製品情報を見る
  『魔剣の姫君と花園の歌姫』
  『魔剣の姫君と女神候補生』

―― では、今回はどのようなお話なのでしょう。
加藤 タイトル通りのお話ですね。〈ワルキュリア女神候補生〉が登場する話です。
杉浦 今までのフレーバーテキストに、何度かミルフィってワルキュリアのキャラクターが出てきていたと思います。
―― あぁ。あの娘ですね。確か生まれて45日の、ロリかペドかようわからん感じの娘。「魂がほしいですぅー」っていう。
加藤 そうそう(笑)。
―― では、前回の『魔剣の姫君と花園の歌姫』は、モンコレのフレーバーテキストにちりばめてあった要素をまとめて、一本のお話を作っていたと思うのですが。やはり、今回も?
加藤 はい。今回は『星剣姫の烙印』の〈アーク・デーモン〉のフレーバーテキストが主題になっています。
―― ぬな!? それって結構ネタばれじゃないですか?
加藤 いやいや、アーク・デーモンのフレーバーテキスト読んでみ? 結局どうなるかわからへんやろ?
―― あぁ、これ、ずるいッスね。映画の番宣観ている気分ですわ(笑)。でもまぁ、とりあえず、このお姉様っていうのが……。
加藤 もちろん、表紙の黒髪の女の子。しかもこいつ、「暗黒卿」でカード化されているんだぜ!
―― ――:ほぅほぅ。
加藤 この〈殺戮の女神オルトリンデ〉とミルフィが×××する話なんだ。
―― 詳しくはドラマCDを聞けということですね。
加藤 うむ。
 →こぼれ話 ドラマCD製作秘話
■ 製作陣から一言
―― はい、という感じでございました。では、最後にモンコレを愛するユーザーの方がにメッセージをお願いします!
加藤 今とても大会が楽しみです。「暗黒卿」が発売されたことで、いろんなカードが群雄割拠できるパワーバランスになったと思うんです。もちろん、トーナメントで見れば力が足りないカードもあるかもしれません。でも、前回の全国大会で〈ジャッジメント〉デックでトーナメントに出てきた人もいます。そういう愛でほとんどのデックを使えるレベルには持ってこれたはずですので、楽しく遊んでください!
杉浦 モンコレは手作り感の強い作品ですが、そこがいいところであると思っています。なので、皆さん好きなデックでどんどん大会に出ていただけると嬉しいです。
加藤 これからもファンの期待に応えられるよう、頑張りますので、応援よろしくお願いします!
―― といったところで、本日はこのぐらいで。お二人とも、今日はありがとうございました!
加藤杉浦 ありがとうございました!
 
■ 続いて我らが社長
―― では、改めまして、今度は安田社長にモンコレについてインタビューさせていただきます。よろしくお願いします。
安田 よろしくー。
―― 神霊獣の咆哮』から三年間はいかがでしたか?
安田 大変やった!
―― ですね(苦笑)。
安田 もちろん、同時にすっごく楽しかったよ。我々ががんばってこられたのも、ユーザーの皆さんが支えてくださったおかげです。ありがとうございます。
―― 先日「暗黒卿」も発売されて、一段落といったところですね。
安田 そうなんよ。『神霊獣の咆哮』のとき、加藤たちと「三年で従来のモンコレを全部やろう!」って決めてたんよ。今回のStageで儀式も増えたし、ようやく最初の目的が達成できた。
―― 『神霊獣の咆哮』以前のユーザーさんたちが大喜びしている、という噂はいろんなところで聞きますね。
安田 まぁ、ぼくはもっと儀式でユニットを焼きたかったんやけどね(笑)。
―― そこは好き嫌いがはっきり分かれますね(苦笑)。
安田 ぼくは好きなんやけどな。でも、バランスが難しいので、調整には苦労したなぁ(しみじみ)。
―― では、今のモンコレのどの部分が大変でしたか?
安田 もともとあったモンコレ1と2の流れを汲みつつ、新しい方向性をどうだすか。これが一番大変であり、楽しかった部分やね。
―― 英雄カードですね。あれは今までのモンコレにはありませんでしたが、とても楽しい要素です。
安田 英雄いいよな。リニューアルによって、モンコレに新たな面白さを追加するチャンスを与えてくださったブロッコリー様には大変感謝しています。それに、ずっとモンコレを遊んでくれてた人たちが、大人になっていて、それでも変わらず楽しんでもらっているのはすごくうれしい。大人買いしてくれるしね(笑)。
―― 僕のことですね。モンコレを買い始めた当初は小学生で、ごく稀カードが買えませんでしたが、最近は諭吉がよくモンコレのカードに変わります。
安田 ありがとう(笑)。でも、ぼくもたくさん買ったよ。最初のセットは14万円使っても、最後の1枚が手に入らなくてな。
―― じ、14万ッスか……。
安田 製作者の手前遠慮していたんだけど、最後はついにトレードでそのカードを手に入れたな。
―― トレーディングカードゲームの正しい姿かと(笑)。
→こぼれ話 社内モンコレ大会
■ 今後の展開
―― では、最後にモンコレの今後の展開についてお聞かせください。
安田 語れる瞬間を待っとったで! 先日、モンコレ公式サイトで公表されましたので、ようやくみなさんにお知らせできます。
―― 正式な発表前に、うっかり口にするとユーザーさんを混乱させてしまいますからね。
安田 新年からずっと言いたかってん。
―― (笑)。
安田 みなさん、今年の新年のあいさつで書いたモンコレの新展開が、ついに発表になりました。ブロッコリー様の元でリニューアルされたモンコレが、新たに発展をするため、今年の7月からブシロード様で再展開することになりました! ぜひご期待ください!!
―― おぉー。
安田 いやぁ、やっと言えたわぁー。肩の荷が下りた感じがする。
―― では、詳しい内容については?
安田 まだ話せへんねん。でも、今おもしろくするために「今度はこうしよう!」と加藤や杉浦と一緒に頭を悩ませつつテストを繰り返している。ただ、今までのユーザーさん、『神霊獣の咆哮』から遊んでくださっているユーザーさんのどちらにも楽しんでいただけるものにしようとしています。
―― なるほど。
安田 今年の夏にはまた新たなモンコレをみなさんにお届けできるかと思いますので、楽しみにお待ちください!
―― 詳しくは情報を待て、ということですね。
安田 いろいろ言いたいことはあんねんけどな(笑)。まだ言えへんねん。
―― わかります(笑)。では最後にユーザーのみなさまへ一言お願いします。
安田 モンコレはまだまだこれからやでぇ!
―― 本日はどうもありがとうございました!
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