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TOP > ユーザーコンテンツ > 著者インタビュー > オリジナル小説豪華3本立て(2014年01月_1)
←「著者インタビュー」トップへ 『あやかし秘帖千槍組』 『からくり隠密闇成敗 弧兵衛推参(まい)る(仮)』 
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オリジナル小説豪華3本立て
『まちがい英雄の異世界召喚』
『あやかし秘帖千槍組』『からくり隠密闇成敗 弧兵衛推参(まい)る(仮)』
 今月は豪華3本立てのインタビューをお贈りします。
 1本目は2月20日発売の『
まちがい英雄の異世界召喚』(富士見ファンタジア文庫)。こちらはセレクト型カードゲーム『シルク・ドゥ・モンスター』(発売元:富士見書房/販売元:ブシロードGP)や小説『皇国のフロイライン』(富士見ファンタジア文庫)などを手がけたグループSNEの新鋭、河端ジュン一の最新作となります。
 2本目は
友野詳による3月刊行予定の『あやかし秘帖千槍組』(廣済堂モノノケ文庫)。こちらは自身初の一般レーベル&時代劇です。3本目も同じく友野詳による、4月刊行予定の時代小説『からくり隠密闇成敗 弧兵衛推参(まい)る(仮)』(富士見新時代小説文庫)。さらに2013年に9月発表された『クレイとフィンの夢見た手紙』(MF文庫)を含めた今後の予定など、盛りだくさんの内容となりました。聞き手はSNEの新人、西岡拓哉です。
2014年01月 発行
記事作成 西岡拓哉

 
『まちがい英雄の異世界召喚』 著:河端ジュン一
―― それでは、まず刊行順に河端ジュン一さんにお話をお聞きします。本書を読み終えた人にもまだの人にも魅力を感じていただけるよう、著者に迫りたいと思います。
【作品紹介】
 花形タクマが幼なじみのサクラちゃんへ
125回目の告白に挑むと、今回は魔王が現われた。じつはタクマはサクラちゃんに告白するたび「死線」を呼びこむ(=テロリストの襲撃や魔王の登場など、あり得ない災厄に見舞われる)運命に縛られていたのだ!
 数々の死線を乗り越え、超人的な力を得たタクマが魔王を倒したとき、異世界の使者が現われ彼に英雄大戦への挑戦権を与える。
英雄大戦」――神々が催す、神界ヴァルハラの一大イベント。異世界のさまざまな英雄が一堂に集い、個人戦またはチーム戦で勝利を目指す。勝者は敗者からBP(ブレイヴ・ポイント)を奪い、合計100万BPとなった英雄だけがその願いを叶えることができる。
 死線のために、サクラちゃんへの告白が必ず失敗してしまう運命を打ち破るため、タクマは英雄大戦へと身を投じたのだった。
◆今作の刊行にあたって
―― 皇国のフロイライン』2巻の刊行から約10か月経ちました。その間、今作『まちがい英雄の異世界召喚』を執筆するうえで、どのようなインスピレーションを受けられたのでしょうか。
河端 インスピレーション……いきなり難しい質問ですね(笑)。ええと、これは『皇国のフロイライン』の頃から一貫していることですが、特殊な考え方や性質のせいで社会の常識から外れている人にスポットを当ててみました。さらに今作では、はみだし者英雄という器を与えることで、その異常性によりスポットを当てています。
―― 主人公の花形タクマが一見「ツッコミ役の常識人」でありながら、実はいちばんぶっ飛んだ人物なのは、その試みがなされているわけですね。
河端 そのとおりです! タクマはひとりの女の子がきっかけで人生の歯車が狂った人物です。タクマの行動はどこかおかしい。125回もの告白に失敗しても何度もトライしてしまうところとか。
―― たしかに異常ですね。
河端 ふつうは折れるだろうと(笑)。毎回死線を呼びこんで(=悲惨な目に遭って)、なお諦めないおかしな奴なんです。ただそれって「足りていない」とか「劣っている」とかではなく、単純に自分内のルールが他の人とずれているだけなんですよね。ルールが決まっているので、ある意味でブレないキャラではあります。

◆ハイスピードなプロローグに読者が唖然!?
―― 冒頭はまさにジェットコースターの頂上からのスタートという印象を受けましたが、これは一体どういう意図なのかとても気になります。
河端 ジェットコースターの頂上? そ、それはどういう……。
―― タクマは死線のせいで125回もサクラちゃんへの告白が失敗していて、死線を乗り越えるたびに超人的な力を得ているという紹介。そして現代社会に魔王登場&撃退ですよ!? いきなりかよっ! って心のなかでツッコミせずにはいられない。
河端 まさに、そう感じてもらいたかったんです(笑)。この物語は主人公はもちろん、ぶっ飛んだ人たちばかりが出てくる。英雄大戦の参加者たちはすでにレベル100みたいな奴らなんです。
―― レベル100!? たしかにどの英雄も個性豊かでしたけども。
河端 英雄大戦とは、ヴァンパイアハンター魔法少女海賊戦国武将といった、いろんな世界の主人公たちが集まったオールスターバトル。だからこそタクマにはスライムではなく魔王を倒してもらう必要がありました。死線を乗り越え、もうレベル100ですよ、という状態が基本だと読者さんに強調したかったんです。
―― ぶっ飛んだ主人公とぶっ飛んだ展開。これはインパクト大でした。
河端 読者の方々にもそう思っていただけたらうれしいですね。

◆英雄大戦について
―― 今作の目玉である英雄大戦についてですが、英雄個人の能力だけでなく、さまざまな効果をもつ「カード」を使ったバトル要素もありました。これには河端さんのこだわりがひしひしと感じられるのですが。
河端 それは僕がTCG(トレーディング・カードゲーム)好きだからってこと? もちろんTCGは好きですけど、そういうわけではなくて、戦いの攻略のための「コンボ」を組みたいと思った。……あれ、これってTCGじゃん!(笑)
―― やはり(笑)。
河端 もう少し説明を加えると、英雄大戦は個人戦だけでなくチーム戦でもあります。英雄がもつ固有の能力を組みあわせるだけでもコンボは決められるのですが、そこに欲張ってカードも入れて、派手にしたいなと。
―― なるほど。
河端 あと、もうひとつやりたかった大きなギミックがありまして、タクマはカードをまともに使えません。これもまた主人公の特異な点です。他の英雄たちなら使えるカードをまともに使えない、というハンディを背負って、彼はどう戦うのか。
―― ここはネタバレしたいところですねえ……。
河端 いやいや、書かないで下さいね?(笑)
―― 英雄大戦では特定目標を救出するなど、殴り勝つ以外の勝利条件ももうけられていますね。そういったところが一筋縄ではいかない面白さだと感じました。
河端 そうですね、頭脳タイプの英雄もいるわけですから、ただ殴って勝つだけでは不利になります。ですので、特殊な勝利条件を武器に、パワータイプを蹴落としてバトルクリアなんてことも設定に組み込みました。もちろん、パワータイプにとって不利な条件の戦いでも、機転を利かせれば打開策は見つけられます。そのわかりやすい一例がカードなんです。
―― ほうほう。
河端 英雄たちがいかに自分の得意なフィールドに相手を誘い込むか、というのが英雄大戦におけるひとつのキモです。
―― なるほど。パワー頭脳カード、この3つのかけひきが英雄大戦を手に汗にぎるものにしているわけですね。

◆タクマとチームの仲間たちについて
―― 主人公タクマ常識人に見せかけて、実はぶっ飛んだ人物だと紹介していただきました。彼を生み出すうえで試行錯誤はありましたか?
河端 あ、たしかに難しかったですね。というのも、基本的にはツッコミ役常識人主人公っぽく振る舞っているからです。そのくせ、実は異常な部分があって、よく考えると作中でいちばん価値観がおかしい存在という。
―― 異常とはサクラちゃんへの愛、でしょうか? もはやフェータル(宿命)ですよね。
河端 はい。サクラちゃんを第一に考えて危険を顧みない。でも、それが彼にとっての自然体なんです。
―― 自然だからこそ、常識人&変人の両方の側面が共存できたわけですね。
河端 変に常識人っぽいぶん、タクマは英雄というマイノリティーの中でも特にマイナーな存在だと思います。その点は作中でも他の英雄から指摘されちゃいますけど。
―― そして読者が行き着く「タクマをこんな奴にしたサクラちゃんって何者だよ」という謎。
河端 おおっと、サクラちゃんは今後の話に大きく関わってくるはずです。なので今回は彼女についてはノーコメントで(笑)。
―― では、タクマのチーム《零落の王(ギルガミス)》について聞かせてください。
《零落の王(ギルガミス)》
ユーナ
白雪のような肌をもつクールな美少女英雄。戦いでは二つの銃で立ちまわり、機転を利かせる。タクマとの関係に少々不満気? 不幸な過去を背負っている。
ピリカ
西洋風の甲冑を身にまとうハイテンションガール。英雄を導く天使&戦乙女という役目を担っている。体型は中学生くらいだが、タクマ曰く「意外に、ある」。
ニト
女子中学生のような風貌の「引きこもりの英雄」。自身と周囲数メートルの存在感を希薄にすることが可能。スマホの画面に文字を打ちだして会話するシャイな子。
ギンジョー
赤髪で髭面のおじさん。いつも酒臭い「飲んだくれの英雄」。人間には飲めない酒を飲むことが可能。タクマ曰く「いらない英雄性」。
―― これはなかなか、ピーキーな英雄がいますね……。
河端 ええ、タクマの仲間もまたどこか変なキャラを集めました。英雄は全員能力をもっています。
―― まずユーナからお伺いしますが、彼女はタクマと同年代ながら大人びた容姿をしていますね。そしてタクマのパートナーかつラブコメ要員。しかしどうやらただのラブコメではないなという印象を受けました。
河端 と、いいますと?
―― 友人から先の関係に進むには程遠い。お互い微妙な距離感を保っています。タクマの「友人になりたい」という心理描写が決定打ですよね。
河端 ああ、タクマがサクラちゃんLOVEすぎてどんどん女の子とのフラグをへし折りますからね。そういった意味でたしかに一歩距離が開いていますね。
―― どれだけサクラちゃんを愛しているのかと。それが枷になってタクマは踏み込まない。
河端 ユーナはタクマと住んでいた世界が違いますし、シリアスな過去を背負って英雄になった女の子なので、そのあたりでも距離感が独特なのかもしれません。
―― タクマって優柔不断なのではなく、サクラちゃんというブレない答えがある、昨今では珍しいタイプの主人公ですね。
河端 そのうえでタクマとユーナ、二人の関係は今後どうなってゆくのか見届けていただけたら幸いです。
―― 続いてピリカですがあのハイテンションガールはどういうイメージで作られましたか? 
河端 ピリカはですね……息抜きです。
―― 息抜き!?
河端 タクマとユーナは目的のために必死に戦っている。いわば真面目な場面で活躍する機会が多いキャラです。だから二人と対比した息抜き的存在、日常場面で騒ぐお馬鹿キャラというイメージで生まれました。しかしただのお馬鹿キャラかと思いきや……。
―― ここから先は本書をご覧ください」ですね(笑)。
ではでは、ピーキーな能力をもつ英雄ニトギンジョー、この二人はユーナに比べて戦いのイメージとはかけはなれていますね?
河端 なにせ戦おうとしないですからね(笑)。タクマとユーナよりも古株のくせに、引きこもって戦わない。ましてや戦いに行く二人に養ってもらっている身分です。
―― 作中でも「ヒモ」呼ばわりでしたね。しかし、どういうきっかけでこの二人が生まれたのでしょうか?
河端 構想当初、英雄たちの戦いを書くと決めた直後に、じゃあ戦わないキャラがいてほしいなと思いました。それが一番マイノリティーかなと。
―― そう見ると貴重な存在ですね。普通の英雄とはまた違った立ち位置にいるといいますか。
河端 戦っている人を外から見ている視点が欲しかったというのもあります。自分の信条に沿って英雄大戦に参加しているタクマやユーナのような存在とは違った英雄のあり方もあっていいなと思って。しかし、この二人も二人なりになんやかんややります(笑)。
―― ネタバレの関係でうかつに聞けないところがありますが、キャラが全員変な奴だというのは十分伝わったと思います(笑)。

◆今後の展開について
―― 本書を読ませていただいて、冒頭から結末にかけてのスピーディなテンポとリズム感の良さがクセになる、とても面白い作品だなと思いました。深まるサクラちゃんの謎、タクマとユーナとの関係英雄大戦のこれからなど気になる展開が目白押しなわけですが、可能な範囲で今後について教えていただけますか?
河端 おっ、そうですね……これからもっと大きな展開が待ち受けているのは間違いないです。それはなんなのか。英雄大戦かもしれないし、人間関係かもしれない、はたまた丸っきり変わったことなのかも。具体的なことは秘密です。
―― 読者に展開を予想させないわけですね。
河端 ただ、良い意味で「むちゃくちゃじゃん!」って笑っていただきたいですね。すでにレベル100から始まっている物語で、とんでもない奴らが既に登場しているなか、さらに反則級なことが起こる可能性があります。
―― レベル100以上のキャップを外さんばかりの勢いですね。噛めば噛むほど面白さの味があふれそうな作品になりそうですが。
河端 むしろ軽い気持ちで口にいれたら、そもそも食べ物じゃなかったっていう面白さにも挑戦したいです(笑)。
―― では最後に読者のみなさまに向けてメッセージをお願いします。
河端 いろいろ言葉にはさせていただきましたが、この物語の基本構造はシンプルで、主人公が恋のために頑張るという話です。まずは軽い気持ちで手に取っていただけたらと思います。『まちがい英雄の異世界召喚』をよろしくお願いいたします!


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