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TOP > ユーザーコンテンツ > TRPGリプレイ > ソード・ワールド2.0『マージナル・ライダー』外伝 第四話「迫り来る盗賊団(バンディッツ)!」


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3.肝っ玉母サン


GM 途中何事もなく、森に到着しました。シュイの先導で、二人が住処にしている一本木の側まで行きます。――しかし、母親の姿が見当たません。

ラファル おい、シュイの母ちゃんどこ行ったんだ!

ルシアス この時間帯、シュイの母親はいつも何をしているんだ?

GM/シュイ: 「ええっと。最近は、だいたいふらふらしてるよ。歩けるようになったのが嬉しいらしくて」

ルシアス ……大人しくしておけよ。

GM 一度、蛮族によって住処を追われていますからね。今度は人間の荒くれ者たちが現れだして、じっとしていられなくなったんでしょう。シュイが言うには、どうも彼らの動向を探っているみたいですね。

アラン 僕には理解できます。僕は、死に場所を求める男、ですから(キラッ)。

ラファル それは単なる犬死にだ!

ルシアス (無視して)周りに争ったような痕跡はあるか?

GM 争った跡はありませんが、動物か何かの蹄の跡があります。「足跡追跡判定」を行って下さい。目標値は 16 です。

ルシアス (コロコロ) 6 ゾロだ。

アラン (コロコロ)僕も 6 ゾロ! 残った蹄の跡をガン見します。

GM どうも、プーカの足跡のようですね。シュイのものよりも大きなサイズです。体重がかなり重いらしく、相当くっきりと跡がついています。足跡からだけで、肝っ玉母サンのオーラが滲み出てますね。

ラファル (少しゲンナリした顔で)……すっかり健康になったみたいだなー。

アラン では、それを追って行きます。何事もなければいいけど、と一応心配します。

GM あなたたちが足跡を追うと、ある木の下で、唐突に途切れています。

ラファル もしやここで連れ去られたとか!?

ルシアス ……上を見ます。

GM いました、シュイのお母さんです。太めの枝の上で、北の方角に視線を向けています。

アラン (やや疲れた声で)ちょっとー。もしもーし。色々と見えてますよー。

ラファル (やっぱりやや疲れた声で)見えても何も嬉しくないんですがー。

GM 履いてないから恥ずかしくないんでしょう。声に気づいた、シュイの母親は、ゆっくりと木から降りてきます。

ルシアス お母さん、あんた、一体何をやってるんだ……

GM/シュイの母親: 「あら皆さんお久しぶり。その節は本当にお世話になりました」

ラファル えらく余裕があるね。

GM/シュイの母親: 「――それで、何の用事でこんなところまで来たんですか?」

一同 (爆笑)

ラファル ちょっとお母さーん!

アーピー 息子を遣いにやったこと忘れてるんかい!

アラン わりと世間知らずな僕ですが、さすがにドン引きですよ?

GM/シュイ: 「最近、元気になったのは良いんだけど、物忘れの方が酷くなって」

ルシアス (精神的に疲れ切った様子で)お母さん、無理はしないで下さい。本当に。そして時間が無いので、用件だけでも聞かせて下さい。

GM お母さんは妙にハイな感じで喋ってくれますが、ここはかいつまんで説明します。最近、二十人前後の盗賊の姿を見るらしい、とのことです。各々の結束は固くはなさそうだけれども、どこか一箇所に集まっている様子です。

ルシアス どのあたりか分かるか?

GM 一本木の真北です。そのあたりに、ちょっとした洞窟があるらしいです。ここからならば、徒歩で半日といったところでしょうか。

アラン (地図を見て)そこから真東に進めば、部族の集落に行き当たりますね。

ラファル まだ追いつける?

GM 盗賊たちの集合場所らしき地点から水場までは、丸一日はかかります。ちなみに、この時点で日が暮れています。

ルシアス おちおち休息を取ってもいられないほど急がなければならない、ということか。

ラファル オレの故郷の一大事だ。はやくしないと、大変なことに……

アーピー ……それにしても、二十人は厳しいね。

GM/デイジー: 「部族の若者も、ある程度は戦えるかもしれないわ。それぞれの部族で、十人ずつぐらいは戦える人がいるわ。だから、頑張れば三十人は動けるハズよ」

アラン デイジーに、先に部族に話を通してもらいましょうか?

GM 可能です。ただし、どの集落が襲われるかまでは、現時点では分かりません。

ラファル それは確かにそうだけど。細かいことは、一旦寝てから考えよう。

ルシアス 寝る前に、シュイのお母さんに一つ言いたいことが……

GM/シュイの母親: 「はいはい何です?」

ルシアス くれぐれも気軽に出歩かないように、と説教します。

GM 母親はそれを聞いて、“それなりに”反省しているみたいです。

アラン それなりかい!

ラファル 人間の街に幻獣が飛び込んで来るということがどれほど危険なことか、分かってるのかな?

GM お母さんは、「息子にはちょっとばかり迷惑をかけたかしら」みたいな、スットボケタ顔をしています。大袈裟ねえ、とでも言いだけですが。

一同 ふぅぅぅ(どうしようもないな、というため息)。



 シュイの母親に翻弄されながらも、ラファルたちは、森の中で一夜を過ごします。






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