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グループSNE記念コンベンション・レポート

3・ミニイベント
(午後3:45〜4:30)

 ここで司会者は北沢慶から、若手代表である諸星崇へと一時バトンタッチ。若手メンバー主催によるミニイベントの始まりです。
 お客様全員で参加可能な、カード当てゲームを行いました。
 内容を説明しますと、グループSNEの代表者や社友の方々に、司会者が「20周年記念」の「20」にちなんだ質問を行います。回答者は「生肉」「太陽」「愛(という漢字一文字)」など、様々なものが描かれたカードを使って、その質問に対するイメージを回答するというものです。
 参加者の手元にも同じカードがありますので、全員で一斉にカードを出し、そのイメージがピタリ当たっていれば正解です。チーム制なので、正解者の数だけ所属しているチームに得点が入り、最終的に得点が高いチームが勝利となります。そして、優勝チームには景品として、今までグループSNEがコンベンションなどで使用したシナリオを詰め込んだ、豪華「シナリオ福袋」がプレゼントされるのです!
 なお、お客様以外にも、グループSNEのメンバーもチームを組んでゲームに参加しました。
 回答者は、グループSNEからは安田均友野詳
 社友からは、「ロードス島戦記」「魔法戦士リウイ」などの執筆で有名にして高名な水野良先生、「妖魔夜行」「サーラの冒険」を手がけ、今はSF小説界で活躍なさっている山本弘先生、「デモンパラサイト・キネティックノベル」の制作を手がけているocelot代表の高山浩先生など、豪華絢爛な顔ぶれが出そろいました。
 ちなみに出題者は藤澤さなえで、「20年後の自分について」「自分の精神年齢が20歳になったら?」など、イメージにインテリジェンスを要求される質問を連発。これに対し回答者の皆さんはウィットに富んだ答を用意して、場内はがぜん沸き上がりました。

  


 会場内のテンションは最高潮に達し。気がつけば6問予定だった質問はアドリブで8問に増えるという、多少オーバーヒート気味なアクシデントまで発生してしまう始末。しかし、司会の諸星が全力を尽くして進行を務めたので、ゲームは滞ることなく進んでいきました。
 
 さて、そんなこんなで質問が全て終わり、ゲームは終了しました。いよいよ各チームの得点発表です。
 15点、16点と居並ぶ高得点のチーム群を抜き、みごと19点の最高点数をたたき出したチームがいました。
 それは…………グループSNEチーム

友野「お前ら空気読め!」

 場内爆笑。主催側が勝ってどうするんだという話でした。
 結局グループSNEチームは優勝を辞退し(当たり前ですね)、残る内で最高得点17点を出したガープス・ユエル卓チームが無事景品である「シナリオ福袋」を獲得しました。
 おめでとうございます!

 
トークショー・一次閉会宣言
(午後4:30〜4:45)

 ミニイベントの後は、グループSNEのメンバーや社友によるトークショー。
 「20年に寄せて」というタイトルで、自由に語ってもらう……はずでしたが、上記のミニイベントのゲームで大体「20周年」にちなんだことは語り尽くしてしまったので、急遽予定を変更し、今後の活動予定などを語ってもらいました。
 そしてトークショーが終われば、いよいよ清松みゆきによる閉会宣言。
 最近行われた全国一斉学力テストで、「知識問題と応用問題の正答率の格差が甚だしかった」という結果を知った上である決意を固めたそうで、その決意とは、

清松「もっとゲームを広めようと決めました」

 ゲームを普及させて若い内から遊べば、応用能力も自然と身につくはず。まったくもって、その通りでございます。
 ゲーマーなら思わずうなずいて賛同してしまう、エスプリの利いたコメントなのでした。


 一次閉会の宣言に、静まりかえる場内。それはそうです、このコンベンションにもいよいよ終焉の時が来たのですから。
 思い返せば、朝早くに集まり、楽しくTRPGやミニイベントで楽しんだわけですが、それももう終わ……あれ? ちょっと待って下さい、「一次」閉会ですと?
 「一次」ってことは……まだ続きがあるの!?

 
4・ボードゲーム・パーティ
(午後5:00〜7:30)

 一次閉会式が終わり、15歳以下の参加者や遠方からのお客様は残念ながらここでお別れとなりました。
 しかし、残った参加者に感慨にふけっている余裕はありません。彼らの目の前では、すごい勢いでテーブルにボードゲームが並べられているのです。
 はい、もうおわかりですね。
 グループSNE記念コンベンション・第二メインイベント、「ボードゲーム・パーティ」スタート!

 場内に配置されたボードゲームの数は、およそ20種類。参加者はこの中からプレイしたいものを自由に選んで遊ぶようになっています。そのゲームを初めてプレイする人でも、側でスタッフがレクチャーしますので、とっても安心安全です。
 中でも今回目玉となったのは、ボス安田均がエッセンからもちかえったばかりの新作ボードゲームの数々。その内容と、プレイの風景をここで軽くご紹介いたしましょう。


○チケット・トゥ・ライド スイス
 ボードゲームの人気作、「チケット・トゥ・ライド」の拡張セットです。レクチャーを担当したのは、安田均社長。
 今回の舞台はスイスとなりましたが、「電車を都市から都市へととつなぎ、ミッションを達成する」という基本ルールは変わりません。また、プレイ人数が2〜3人とやや縮小されたので、その分短時間でプレイが可能で、初心者でも楽しめるようになっています。
 通常の「チケット・トゥ・ライド」のルールに加え、「トンネル」「目的地を選択できる乗車券」などの特殊ルールが追加されたことにも注目したいところ。
 このゲーム、計画的に長期展望でプレイした方が勝率は高くなるのですが、得点を得るために好き勝手に電車を置いていく魅力には耐え難いものがあります。参加者の方々もわいのわいの騒ぎながら、電車を楽しそうに置いていました。



○キャッシュ&ガンズ ヤクザ
 実際にウレタン製の銃を向け合う、疑似体験的なスリルがたまらない「キャッシュ&ガンズ」の拡張版です。レクチャーは友野詳が担当しました。
 そもそも「キャッシュ&ガンズ」は、プレイヤーは銀行強盗ギャングとなって、自分の分け前を仲間に発砲することで増やすというピカレスクロマン大炸裂なゲームなのですが、今回はそれに「ヤクザ」がつくことで、我々日本人にとってもなじみの深い「任侠」の世界が楽しめます。
 使用する武器も銃ではなく、ヤクザなだけに「刀」「手裏剣」! ……って、あれ? 任侠世界ってそんなノリでしたっけ?
 しかしウレタン製の武器を標的に向け、相手がカードで予約した行動を見抜き、「降りるか降りないか」の駆け引きを行うこのゲームは、大変奥が深いものです。今回参加された方も、嬉々として武器を向けあい、降りずにツッパるときには「なんじゃコルァっ!」と雄叫びを上げて(注:これもルールです)侠気を見せていました。



○Im Jahr des Drachen
 英語で表記すると「In the Year of Dragon」(竜の年に)。タイトルだけだと竜退治のファンタジーゲームとか想像してしまいそうですが、昔の中国を舞台に小領主となって領地を経営していくゲームです。レクチャーは江川晃が担当し、水野良先生もプレイに参加されました。
 このゲーム、ラウンドごとになかなか厳しい選択を求められます。場合によってはトラブルをひっかぶった上で、どのように被害を最小限に食い止めるかが肝となってきます。得点を得るためのリソース(もしくはリソースのためのリソース)が数種類あるので、どれを犠牲にして得点を稼ぐか、取捨選択を迫られるゲームです。
 このジレンマが非常に楽しく、参加者の方々も「難しい難しい」と言いながら楽しそうにプレイをしていました。長尺のゲームですが、時間もルール解説を含めて2時間少しときりのいいところで終わり(ボードゲーム・パーティは2時間半)、充実したプレイを楽しめました。

 最新作は以上ですが、他にも特筆すべき面白いゲームがあったので、いくつかピックアップします。

○大聖堂
 2007年ドイツゲーム賞を受賞した名作です。レクチャーは柘植めぐみが担当しました。
 ケン・フォレットの小説「大聖堂」を舞台にしたボードゲームで、プレイヤー達は協力して大聖堂を建築することが目的となります。
 お金を稼ぎ、資材を発掘し、職人をかき集め……これだけでもやることが多くて、大わらわなゲームなのですが、何よりこのゲームでは他プレイヤーを出し抜いて自分が多くの得点を得なければなりません。
 そのためには資材や資金を管理し、買い物は上手に行い、アクシデントを乗り越え(ほぼ運が頼りです)、建築に貢献していくことが必要です。
 長考することも多い上に処理も若干時間がかかるので、実プレイはかなり長く、今コンベンションではちょうど時間内に1プレイを終えることができました。
 参加者全員で組み上がった大聖堂の模型(1ラウンドごとにパーツが置かれていく)を見ると、何とも言えない達成感を味わうことができました。

○クラーグモルサ
 プレイヤーは、魔術師の研究所でこき使われる、哀れなゴブリン
 この設定だけですでにヒエラルキーの最下層の匂いがぷんぷんしますが、それ以上にプレイヤーが実際に「お仕置き」を受けなければならないという脅威が待ち受ける、罰ゲーム体感型ボードゲームです。レクチャー担当は北沢慶
 プレイヤーはゴブリンとなって、こっそりご主人様の魔法書を盗むべく、仕事の掃除をレッツ・サボタージュ。ただし、ご主人様にサボっている現場を見つかった場合は、その場でお仕置き発動。プレイヤーがそれを体現します。
 とはいえ、お仕置きといっても可愛いもので、「首と肩の間にカードをずっと挟んでおく」「頭の上にカードを置いておく」「テーブルの上にあごを置いておく」など、痛みをともなわないジェスチャーがほとんど。小さなお子様でも安心してプレイできます。
 ただ、罰ゲームは長時間やっていると割と体力を消耗する上に、女の子に「ずっと舌を出しておく」などやや背徳的なお仕置きをほどこすのは、ちょっぴり良心が痛みます。今回参加してくださった方々も、罰ゲームを受けている他のプレイヤーに幾分か同情し、「お仕置きを終わらせるためにもさっさとゲームを進める」とゲーム進行に積極的になったほどでした。

○マンチキン(マンチキン・クトゥルフ)
 グループSNEが翻訳したカードゲームです。多様なバージョンが存在し、今回はベーシックな「マンチキン」クトゥルフ神話をパロディ化した「マンチキン・クトゥルフ」の二種類を用意しました。
 マンチキンとはTRPGにおいて、ルールの穴をついたりする人たちのこと。プレイヤーはそんなマンチキンになりきり、他を出し抜きながらダンジョンを探索し、モンスターを倒してレベルアップを目指します。誰かがレベルが10になればゲーム終了ですが、他が足を引っ張るのでそう簡単にはいきません。
 時には仲間で協力してモンスターを倒す……と見せかけてその後で裏切ったりするのが楽しい、実にユーモラスなゲームです。今回はプレイ時間を45分に限定してプレイしました。
 篠谷志乃がレクチャーした「マンチキン」では、高レベルプレイヤー同士の激突が見ものでした。他方がカードを駆使してモンスターを32レベルにまで上昇させたかと思うと、他方はそれを仲間を集めて36レベルになることで撃破。両者とも素晴らしいプレイを見せてくれました。
 杉浦武夫がレクチャーした「マンチキン・クトゥルフ」の方では、嬉々として狂信者になる人が続出。「ひゃっほーっ!」と雄叫びもあげてノリノリです。一応全員が狂信者になれば、その時点でレベルが一番高い人間が勝利するので、決して意味のない行動ではないのですが……もはやゲーム目的そっちのけで狂信者を演じたいだけじゃないかという気もしました。それもまた、このゲームの楽しみ方の一つでしょうか。


 この他にも、「チケット・トゥ・ライド」「カタンの開拓」「ダイヤモンド」「6ニムト」「キャントストップ」「トランスヨーロッパ」「テイクイット・イージー」「ブラフ」など、定番かつ多種多様なボードゲームが勢揃い。
 また「Role&Roll」でリプレイが紹介された「キル・ドクター・ラッキー」などは、その宣伝効果も相まって、かなりの好評を得ました。
 さらに、エンブリオをバトルだけ楽しむ趣向の卓や、予備卓に「アップル・トゥ・アップル」「ひよこめくり」などの多様なゲームも用意され、全て抜き出していくときりがないほど。


 そして忘れちゃいけない、「モンスターコレクションTCG全日本選手権」
 TRPGセッションから引き続いて白熱した戦いが行われ、準決勝、決勝とますます緊迫感が高まっています。
 そして、激戦をくぐり抜け、栄えある第十回大会、日本一の座に輝いたのはファイターネーム「側近B」さん。
 準優勝はESさん、3位はどらぽりみじぇんぬさん、4位はヨルさんでした。
 みなさん、おめでとうございます! そして、長い戦い、本当にお疲れさまでした。
 優勝者の側近Bさんには超巨大「サボテンマン」が送られる予定です。
 
 
 なお、エントランスでは朝から協賛のイエローサブマリン様が物販を行っていて、サイン入り書籍ダイスボードゲームなど、アナログゲームのアイテムを充実した品揃えで販売していました。
 後でお話をうかがったところ、他のグッズはもちろん、ボードゲームも好調に売れたそうで。このボードゲーム・パーティが宣伝になっていたらいいな、などと思いました。

 
5・コンベンション閉会
(午後7:30〜7:40)

 2時間半にわたるボードゲーム・パーティも終了し、ついに閉会……
 いえ、まだです。その前に豪華景品が当たるジャンケン大会が開かれました。参加者全員とグループSNE代表「ジャンケン大魔神」とでジャンケンを行い、勝った参加者のみが残されていくという勝ち残り形式です。
 司会は北沢慶秋口ぎぐるに戻り、ジャンケン大魔神を務めるのは加藤ヒロノリ
 景品をかけてのジャンケン開始です。「ジャンケンぽん!」

  


北沢「うぉい、誰も負けてない、負けてない。脱落者いないぞ」
加藤「あれ、おかしいなぁ」


 などという一幕もあったものの、おおむね好調にジャンケン大会は進み、みごと勝利なされた方々は景品を獲得しました。
 景品の内容は、「デモンパラサイト・キネティックノベル」の宣伝用ポスター「新ソード・ワールドリプレイ集 Waltz」の表紙イラストなど新しい物から、「モンスターコレクションTCG」マグカップドリームキャスト版「ロードス島戦記」など古きよき時代を感じさせるものまで。様々でした。
 景品を獲得した方々、おめでとうございます。


 
(午後7:40〜8:00)

 そして、とうとう閉会式。最後まで明るく楽しくを心がけるグループSNEとしては、しんみりとは終わらせたくないところ。
 友野詳のユーモアが効いたトークが飛びます。創世神話にちなんだ話で「神は1日目にボードゲームを作り、2日目にカードゲーム、3日目にダイスゲーム、4日目にウォーシミュレーション、5日目にTRPG、6日目にコンピュータゲームを作った」そうです。

友野「そして7日目にTCGを作り、神が安息日を作り忘れたので、我々はこうして日曜日にもゲームができるのでした」

 休みないんかい! ハードスケジュール上等な一週間の内容に、場内の皆さんも大爆笑しました。


 こうして、始終なごやかな雰囲気に包まれつつ、会場内の熱気はしだいに静まり返っていきます。
 全員が理解しているのです。祭の終わりが近づきつつあることを。

 閉会宣言や、退場の際の諸注意などを聞くお客様の心の中には、どのような想いが渦巻いていたのでしょうか。
 この一日で、思い出に残るような楽しい時間を過ごせたのであれば幸いだと、スタッフ一同願っております。

 そして、それは確信でもあります。
 会場内で見かけた皆さんの笑顔、それが何よりの証拠だと思っています。
 知らない人、慣れないゲーム。そんな要素にストレスを抱いた人もいたかもしれません。
 でも、そんなストレスすら楽しさの一部と変えている。そう思えるほど、皆さんの笑顔は輝いていました。
 それは本当にゲームが好きな人間が見せることのできる、最高の笑顔でした。
 その笑顔をまた見ることができるように、これからも頑張ろう。
 そう決意しながら、退場する皆さんの背中を見送ったのでした。

「ありがとうございました!」


 久しぶりの開催ということで至らぬ点も多々ありましたが、参加者の方々のご協力を得て、無事にこの長丁場を乗り切ることができました。
 開催にあたって後援・協力をいただいた各社を含め、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。

※後援・協力・協賛一覧(敬称略)
 後援:富士見書房、新紀元社、エンターブレイン
 協力:アークライト
 協賛:ジャイブ、イエローサブマリン(三宮カードショップ)


 今後ともグループSNEをよろしくお願いいたします。

 
お ま け

 今回、コンベンション内ではお客様に自由にコメントを書いていただく「寄せ書きボード」を設置いたしました。
 誰か書いてくれるといいな、と出したものですが、これが意外と大人気。皆さんこぞってコメントを寄せてくれました。


 中にはすでに、「30周年記念」に対するリクエストや意気込みなども書いてあって、気の早いことではありますが、とてもとてもとてもとてもとても(×無限大)嬉しく感じました。
 皆様の願いに応えるべく、我々一同全力をもって、10年も20年も、もっとその先も頑張っていきたいと思います。

 これからもグループSNEをよろしくお願いします!


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