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■エンディングA.悪魔消滅

※地の文はミケ役のプレイヤーが、それぞれのセリフは各自が担当してください。ヤナギのセリフは、クロかブチ役のプレイヤーが担当するといいでしょう。

悪魔(ミケ)「くそう。あと少しだったのに」

 ミケはその姿をおどろおどろしい影に変えた。だが、その力ははかなく、水に溶けるように薄くなっていく。

シロ「さっさと消えなさい!」

 シロは牙をむき出しにして威嚇する。

トラ「そうだそうだ!」

 トラも毛を逆立てる。

ブチ「ねえ、なかよくできないの?」
クロ「無理じゃよ。ヤナギを助けるためじゃ」
ブチ「そっか」

 悲しそうなブチ。クロはブチが悲しい理由もわかっている。

ブチ「ぼくたちもいかないといけないよね?」
クロ「そうじゃ、わしらもここにいてはならん」
ブチ「うん……」
クロ「わしも長い使命から解放されるようじゃ」
悪魔(ミケ)「そうだぞ。俺が消えればおまえたちも……」
トラ「うるさーい。ねこプッシュ~」
悪魔(ミケ)「むぎゅ」
ブチ「はははは」

 消えかけたブチが笑う。

シロ「ブチは、このままでいいの?」
ブチ「やなぎにきいたことあるんだ。ねこのたましいはきゅうこあるんだって。だからぼくもまたねこになってもどってくるよ、おかあさんもさがしてさ」
ヤナギ「うっ、み、みんな。無事か?」

 ヤナギが起き上がる。

ヤナギ「クロ、ブチ……」
ブチ「せっかくはなせてたのしかったんだけど」
クロ「儂は見えなくてもずっと一緒におるんじゃよ。悲しい顔をするでない」
ブチ「ねこってなんどもよみがえるんだよね」
ヤナギ「……そうだね。はやく新しい毛皮に着替えて戻っておいで」

 クロとブチはヤナギの鼻にこつんと鼻をぶつける。

クロ「じゃあ、シロ。あとは頼むぞ」
シロ「うん……」
ブチ「じゃあね」
悪魔(ミケ)「やれやれ。とんだくたびれもうけだったぜ。俺が消えれば、願いの主の記憶も消えてなくなるぞ……」

 悪魔の影が完全に消えるとともに、クロとブチの影も消えていく。
 ヤナギとシロとトラは完全に二匹が消えるのをただ見つめていた。
 そして、すべてが終わると、ヤナギが急に頭をかかえた。

ヤナギ「っ、うう」
シロ「にゃっ、にゃにゃにゃ!」
トラ「にゃーーー」
ヤナギ「あー、どうしたんだ。お前ら。なんでだろうな。なんかお前たちとおしゃべりしていた夢を見たんだ」

 ヤナギは背伸びをしながら歩く。カリカリを所望するトラに『ちょっと待って』と言って、趣味の部屋へと向かう。

ヤナギ「おまえらが来る前にいた子たちだよ」

 三毛猫と、ブチの子猫と、黒い猫の写真を見せる。

ヤナギ「黒い猫は長生きでさ、死んだあともずっと一緒にいてくれる気がしてさ。三毛猫はお母さんで、ブチの子猫はその子どもだったんだ。子猫はすぐ死んじゃって、三毛猫は子猫を探しに何度も脱走を企てて大変だったよ……ああ、また会いたいなあ」

シロ「にゃあにゃあ」
ヤナギ「はは、私がいるでしょって?」
トラ「にゃーーー」
ヤナギ「はいはい、わかってるって。なんだかな、言いたいことがわかる気がする」

 ヤナギとシロとトラはそっと部屋のドアを閉めた。
 そして、数年後――。

ヤナギ「ん、どうした? シロにトラ?」

 窓の外をじっと見ている二匹の視線をヤナギは追いかける。弱った三毛猫がいるのに気がつき、慌てて外に出て、家に運び込んだ。

ヤナギ「大きなおなかだ。子猫がいるのかな? 今度こそちゃんと、助けてやるからな」
シロ「なー」
トラ「なー」
クロ『みゃー』
ヤナギ「ん?」

 ヤナギは聞こえないはずの違う猫の声が聞こえた気がして、周りを見る。
 その声は『今度は大丈夫』と言っているように聞こえた。

ヤナギ「まず温めようか」

 ヤナギは柔らかいクッションの上に三毛猫をのせると、ゆたんぽの準備を始めた。


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