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※地の文とヤナギのセリフは、相談して適切なプレイヤーが、それぞれのセリフは各自が担当してください。
ミケ「もうこんなのやってられるか!」
猫たちの行動に耐えかねて、ミケに化けた悪魔は、ついに逃げ出した。
ミケ「ふざけるなよ! 簡単な仕事だったのに!」
ミケの影が大きく膨張する。ミケの輪郭が薄墨のようにぼやけたかと思えば、巨大な悪魔に変化した。
トラ「ひいいいいい!」
シロ「な、なんなのあれ?」
シロはひるみつつも牙を隠さない。
ブチ「にげちゃうよー」
クロ「捕まえるんじゃ!」
みんなが追いかけようとするが悪魔には敵わない。
悪魔とはそういうもの。
煙のように悪魔は消えてしまった。
呆然とする四匹と一人。
ヤナギ「これってどうなるの?」
シロ「あー、ヤナギ!」
ヤナギの魂が先のほうからどんどん薄れかけている。
ヤナギ「あー、なんかー。ちからがぬけていく……」
トラ「どうしよ、どうしよ?」
ブチ「しんじゃだめー」
クロ「ええい、仕方ない!」
クロは二つに割れかけた自分のしっぽの片方をヤナギの魂の先にくっつける。もう一つの先端は、ヤナギの本体にくっつけた。
ヤナギ「おっ、なんかちょっとよくなった」
シロ「そんなことできたんだ」
クロ「一か八かだが成功してよかった。今の儂の身体は幽霊と生体のはざまの状態で、なおかつヤナギの守護霊として何年も一緒にいたから結びつきが強かったんじゃよ」
ブチ「へー。じゃあこれでヤナギはしなない?」
クロ「時間の問題じゃろ。儂がこうして半分実体化しているうちはなんとかなるだろうが」
クロはうつむいている。
クロ「儂が消える前に、例の悪魔を捕まえて契約破棄を行わなくてはならん」
ブチ「ぼくもてつだう」
シロ「私もよ!」
トラ「……」
シロ「あんたもね!」
トラ「はい!」
シロに噛みつかれそうになりながら、トラも大きく返事をした。
クロ「いや、おまえさんたちは無理じゃろう。ヤナギが完全に蘇らぬ以上、どこかの家に引き取られるはずじゃ」
シロ「そんな……」
クロ「なあに、儂が悪魔を捕まえれば元通りじゃ」
ブチ「ぼくもいるからね!」
シロとトラはブチを不安そうに見る。
トラ「大丈夫かな……」
ヤナギ「ははは、それよりがんばってスマホ操作できないかなあ。さすがに誰か呼ばないと、普通に死んじゃいそうだからさ」
元凶であるヤナギは、のほほんとしたもので、猫たちはふうっとため息をついた。
悪魔「あー、もう二度とあんなところに行くか」
ため息とともに悪魔はミケとはまた違った姿の猫になる。食料については思うところがあるが、この姿はとても動きやすい。
悪魔「さてどうするか」
契約が不履行である以上、魔界にも帰れない。
仕方ないので人間界を歩いていくしかない。そのためには、この四つ足の生物はまあまあ便利だ。
さて、あの人間の寿命はそう持つまい。人間の寿命さえ迎えればなんとかなる。
悪魔は何百年と生きている。人間の寿命など大した問題ではない。魂がはがれたままのあの状態では、数日と生きられないだろう。
クククと笑う猫の影は、悪魔の形をしていた。