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■エンディングC.悪魔利用エンド

※地の文とヤナギ、新たに登場するNPCのセリフは、相談して適切なプレイヤーが、それぞれのセリフは各自が担当してください。トラ以外(特にシロ)は、あまりセリフがありません。

トラ「おなかいっぱい、ごはん食べたい!」

 大きく前足を上げるトラ。
 呆然とするミケ。
 どこからともなく、合成音声風の声がする。

悪魔の契約書「契約が、完了しました」
ミケ「ちょ、ちょっと待って! 今の、今の無し!」
シロ「信じられないけど」
クロ「ある意味、グッジョブなのかの?」

 クロは『よくやった』と、きりっとした顔を見せる。

トラ「うわーい、ヤナギー、たくさんごはん食べさせてー」

 トラは横たわっているヤナギを起こす。

ヤナギ「うっ、うう」
トラ「ごっはっん! ごっはっん!」
ヤナギ「うう、さからえないー」

 ヤナギは、トラにねだられるまま、カリカリを与えてしまう。

ブチ「ねえねえ。このばあい、けいやくはどうなるの?」

 全員がミケを見る。

ミケ「どうなるっていうか、ワリカンになるっていうか。あー、猫の願いだと価格下がるんだよな」

悪魔の契約書「再計算します……再計算終了しました。一人と一匹、種族に呼応した寿命をいただきます」
ミケ「それって?」
クロ「ヤナギは死なないということでよいのかな?」
ミケ「いや、嘘だろ、嘘? 人間と猫とじゃ、魂のレート、だいぶ違うんだぞ!!」
トラ「でもごはんたべられるんだよね!」
ブチ「よかったね」
シロ「信じられない……、あんたの寿命が縮むのよ?」
クロ「そして、ヤナギも」

 ヤナギはクロをそっと撫でる。

ヤナギ「転職するよ。社畜辞めたら、きっと寿命くらい延びる。おまえたちがいる生活を一分でも増やすよ」

 ミケが、けっと唾を吐く。

ミケ「俺帰るわ」
ブチ「帰っちゃうの?」
ヤナギ「まってくれ。まだこのままだと契約不履行だろ」
ミケ「覚えてやがったか」

 ミケの影が二つに分かれる。一つは悪魔の姿、もう一つはミケの姿。

悪魔「さあ。こっちが本物のミケだよ。じゃあな」

 悪魔は魔法陣の上に立つと、煙のように消えていった。

 一年後――。  カリカリにつっぷして息絶えていたトラの姿。

ヤナギ「ははは、最後までお前らしいな。好きなだけ食べて満足したか?」

 ヤナギはずっしりと、しかしだらんと力がないトラの身体を抱き上げる。ゆっくり撫でて、柔らかい毛並みを堪能する。

ヤナギ「トラは一年か」

 ヤナギは自分の手のひらを見た。手相はわからないが生命線とやらはやたら短くなった気がする。

ヤナギ「俺も、終活しないとな……」

 クロにシロにミケにブチ。
 他の猫たちはまだまだ生きるだろう。クロに至っては尻尾が二つに割れかけている。
 自分がいなくなっても彼らには何不自由ない生活をさせたい。
 ヤナギは柔らかいブランケットを敷いた段ボールにそっとトラを置いた。


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