ヤーツィー/ライヤーダイス |
![]() ヤーツィは要するに、ポーカーダイスのようなゲーム。簡単ですぐに遊べるが、なかなか盛り上がる。どの役から作っていくかが大切。 でも、人数が多いときは、これよりもライヤーダイスの方をお薦めする。ポーカーダイスを知っていたなら、さらに盛り上がること疑いなし。 ライヤーダイスでは、自分の順番のときにポーカーダイスのような役を言っていかないといけないのだが、振り直しは自由。ただし、何個振り直すか言って、必ず前の人よりは大きな役(同じ役で大きな数だけでもいい)を、振った後で宣言しなければならない。もちろん、そこでウソを言わねばならない場合が多いのだが。 ゲームを始めると、だいたいワンペアからツーペアというように、カップが隣りに受け渡されるたびに役が上がっていく。で、“6のスリーダイス”と隣りから宣言されたりする。サイコロ5個が入ったカップなり、そのプレイヤーの顔を見て、“ウソだ!”と言って開けてもいいが、どう見てもホントのように思えるときがある(公開してみて、カップの中の目が、宣言された役以下だと相手がウソつきとなる。相手はチップを1枚場に出す。宣言された役以上だったり、じっさいにその役が出来ていたら、相手をウソつき呼ばわりしたということで、自分のチップを1枚場に出さないといけない。どちらにしても、そこからゲームは最初に戻って、再スタートする)。 こりゃ、ホントだろうな−−そう思って、仕方なくカップに入ったままのサイコロ5個を受け取る。こっそり開けてみると、やっぱり6の目が3個出ている。“え〜、これ2個を振り直して、フルハウスかフォーダイスを出さないといけないのかい”(ポーカーとちがって、フラッシュやストレートはない)と、ついついポーカーのような感覚に陥るが、これはダイスなのだ。 ポーカーとちがって、スリーダイスからフルハウスやフォーダイスの出る確率は、5割近くもある。ファイブダイスですら、フォーダイスができていたなら、6分の1の確率であるのだ。 だから、“ウソだ!”とだれかが言って開けた結果、“え〜、ホンマに出来てるかあ!!”という喚声もよく聞こえて、ゲームはますます白熱する。 そして、このライヤーダイスを、ホントにライヤー(うそつき)と言わしめているのが、役は“じっさいに出来ているものよりも下を宣言してもよい。それはウソではない”というルール。 これが最高におもしろい。 つまり、自分で振り直したりして、出た目が3のスリーダイスなのに、“3と2のツーペア”などとしゃあしゃあと言ってもよいのだ(もちろん、その前のプレイヤーの宣言が“3と2のツーペア”より下でないといけないが)。 なぜ、そんなことをするのか? これは場を混乱させるためと、どの辺りのプレイヤーを狙うかという戦略に使えるのだ。つまり低く言った場合は、次のプレイヤーに対しては優しい宣言になっていることが多い。しかしそれは、たいてい2〜3人後には役が上がっていって、キツイ状態になるのを見越してのことなのだ。 ゲームはウソがばれたプレイヤー(出ている目よりも高い役、もしくは同じ役でも高い数を宣言していたプレイヤー)がチップを1枚払い、チップがなくなるとゲームから脱落。最後まで残ったプレイヤーがそうしたチップを全部回収する(勝ったものがみなもらう)タイプだから、こうした戦略も必要となってくる。 だから、高い役や数のウソをやむなく言って、それが通っていくを見るのも楽しいが、むしろぼくなんかは、低い方でウソを言っていたのが、途中サイコロの振り直しの数でバレ、“だれだ、めちゃくちゃ言ってたやつは!”というような声が聞こえてくるのが、快感だったりする(サイコロは振り直さずに、そのままで宣言だけを上げてもいい。これがまた、ホントらしく見えるんだなあ)。 このゲームで気をつけないといけないのは、カップを隣りに渡すとき、中のサイコロの目が動かないように注意すること。なにかの平たい台の上に置いてやればいい。 それと、カップを開けて中を見たり、サイコロを振り直すのは、他のプレイヤーに見えないようにしてやるわけだから、相互信頼が必要だ。ギャンブルゲーム系だけど、とても大金を賭けられる種類のゲームじゃないだろう(だから、いいんだけどね)。 なお、同じライヤーダイスでも、別名『ブラフ』といって、多人数が同時にそれぞれサイコロ5個を振って、カップに隠し、ある特定の目の出た数を言い当てるタイプもある。どうやら、こっちの方が昔からあるタイプらしい。ゲームとしてはシンプルで、慣れていないうちは『ブラフ』からの方が入りやすいが、ゲーム慣れしてくると、下の方のウソも言える(そして、それこそが楽しい)ポーカーダイス風ライヤーダイスがおもしろいと、ぼくなんかは思うのだけれど……。 |