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株式会社グループSNEオフィシャルサイト

ソラシノビ

 2015年、グループSNEでははじめて「公募ゲームコンテスト」を実施し、優秀作としてまず2点の商品化を決定しました。そのうちの1点、『ギャンブラー×ギャンブル!』(ゲームデザイン:宮野華也)は2016年2月に発売され、ご好評をいただいております。  そしてもう1点が今回ご紹介する『ソラシノビ』(ゲームデザイン:寺島由人)。4月30日(土)発売決定です!
ギャンブラー×ギャンブル!』はシンプルながら頭を使うカジノゲーム、『ソラシノビ』は壮大なドラマの繰り広げられるボードゲーム。趣は異なりますが、どちらも審査員を唸らせた力作です。
 それでは、さっそく『ソラシノビ』の紹介をはじめましょう。最後までよろしくおつきあいください。
 どうしても字を読むのが面倒だ、という方は楽しい紹介動画が配信されていますので、ぜひそちらもご覧ください。
 宇宙の星々に手下のシノビを送り込み、影響力を高めて覇権を握りましょう。

ソラシノビ (Space Ninja)
プレイ人数 3人~5人
対象年齢 12歳以上
プレイ時間 12歳以上
ゲームデザイン 寺島由人
パッケージイラスト しろー大野
ディベロップ 安田均/グループSNE
デザイン TANSAN&Co.
価格 3000円(税別)
発売 2016年04月
制作元 グループSNE
◆『ソラシノビ』ってどんなゲーム? エリアマジョリティって?
 グループSNEの総帥であり、公募コンテストの審査委員長でもある安田均に聞きました。

――:『ソラシノビ』ってどんなゲームでしょうか。
安田:一言で言うと「エリアマジョリティ」のゲームだね。

 エリアマジョリティ――なんだか難しい言葉ですね。

 ごく簡単に言うと、「ある地域に自分の手下(コマ)をより多く送り込んだプレイヤーが、その地域による得点(あるいは恩恵)を得られる」タイプのゲームだそうです。
 これを『ソラシノビ』にあてはめると、舞台は宇宙。「ある地域」とは、「手下」とはシノビコマとなります
 各星には右図のようにシノビコマを置くマス(シノビ列)が記されています。
 スタートプレイヤーから時計回りに、シノビコマを1個ずつ、好きな星のシノビ列に、左側から詰めて配置していきます。
 シノビコマはゲーム開始時に2個、以降毎ラウンド2個ずつ各プレイヤーに配られます(シノビコマを配置したときに、その星固有の「シノビアクション」を行うことができますが、それはまた後で!)。

 全員がコマを置きおえるかパスをしたら、星ごとに置かれたシノビコマの数と並び順を調べます。配置したシノビコマの数が1位2位のプレイヤーがその星による得点を獲得します。同値なら、より左に置いたプレイヤーが優位です。
 左図でいうと、は2個ずつ置かれていますが、のほうがより左側に配置されているので、1位2位となります。
シノビ列7マスしかありません。後からシノビがやってきたら、いちばん左にいるシノビは追い出されてしまいます。しかも追い出されたシノビはプレイヤーの手元に戻ってくるのではなく、宇宙の藻屑と消えてしまいます。要注意!です。

 いずれにせよ、星で1位2位を取るのが得点獲得の基本。1つでも多くの星で1位を取ることを目指しましょう!
◆この黒いキューブはだれのもの?
 勘のいいみなさまは上の図を見て「この黒いキューブはなんだ?」と思われたことでしょう(左から4番め)。これは「下忍コマ」と呼ばれて、ゲーム上大きな役割を果たします。
 下忍コマはゲーム中、2通りの方法で手に入ることがあります。1つは2ラウンド目以降、ラウンド開始時の得点が最下位のプレイヤー下忍コマを1個受け取ります(複数いればその全員)。もう1つはさまざまな星の効果によって入手できます。星の効果については後述しますが、ここでは「下忍コマを制するものがこのゲームを制する――かもしれない」と覚えておいてください。
 手に入れた下忍コマの使い方は簡単、「自分のシノビコマのようにシノビ列に配置する」だけです。ただし、下忍コマは黒一色しかなく、シノビ列に置かれた瞬間、だれのものでもなくなります。そのため下忍コマを配置しても、種々の恩恵得点はいっさい得られません。
 そんなどっちつかずの下忍コマに、いったいどんな重要な役割があるというのでしょうか。
 まず1つは下忍コマを配置することで、先頭にある他プレイヤーのコマを押しだす(自分のシノビコマを優位にする)ことができます。
 もう1つは「様子見」です。シノビコマ(および下忍コマ)は時計回りに1個ずつ配置していくのですが、他の人の行動を見てから戦略を決めたいときがありますよね。そんなときは下忍コマを配置してお茶を濁し(様子見し)、自分のシノビコマを次手番まで温存することができます。
◆なにをすれば得点になるの?
星にシノビコマを有利に配置し、その星による恩恵や得点を得る」という流れは理解していただけたでしょうか。
 では肝心の得点はどうやって入るのでしょう。それは星に置かれた人口コマの数によって決まります(人口コマ1個が1点)。
 各星の上部には右図のようにマスがいくつか描かれています(中に白い点が記されたマスにはゲーム開始時に人口コマが置かれます)。ゲーム中、この人口コマの数は激しく増減しますが、ラウンド終了時の人口コマの数得点になります。
 シノビ列に最も多くシノビコマを置いたプレイヤーは人口コマの数だけ、2位のプレイヤーはその半分(端数切り上げ)の得点を獲得します。
 ここで右上の「MAX7」の文字に注目してください。どんな星であっても、無限に人が住めるわけではありません。この数字は人口コマを置ける上限を示しています。なんらかの効果でこの上限を超えてしまった瞬間(図の場合なら8個以上になった瞬間)、人口爆発が起こり、人口コマは半減(端数切り捨て)してしまいます。
 よし、今回は大量得点ゲットだ、と油断していたら、いきなり半減してしまうこともあるので要注意です。
◆ゲームの流れ
 それでは、最後にゲームの大きな流れを見ていきます。
 ゲームで使用する星ボードは全部で6種類。この中からプレイヤー人数にあわせて、ランダムに4~5枚を選んで円形に並べます(下図)。


 星の名前は惑星アクロポリス惑星エンリル衛星ヘム甲賀の里マンダリン星団惑星ポンペイ――むふっ、わくわくしますね。
 ゲームは全部で4ラウンド行います。ラウンドは次のような4つのフェイズから構成されます。

0)準備フェイズ

 各プレイヤーは自分のシノビコマを2個ずつ受け取ります。さらに2ラウンド目以降、得点が最下位のプレイヤーは下忍コマ1個を受け取ります(複数いる場合は全員)。

1)シノビフェイズ

 スタートプレイヤーから時計回りシノビ列に手持ちのコマ(シノビコマor下忍コマ)を1個ずつ、左側のマスから詰めて配置。希望するなら「シノビアクション」を行うことができます(下記参照)。
 全員がパスをしたら2)星フェイズに進みます。
※手元にシノビコマ下忍コマを残してパスをした場合、それらのコマは次ラウンドまで持ち越すことができます。

【シノビアクション】
 シノビコマをシノビ列に配置したプレイヤーはその星固有の「シノビアクション」を行うことができます(下忍コマを配置してもこの「シノビアクション」は行えないので注意)。
 個性豊かな星々が楽しいのですが、全部を紹介すると長くなりますので、わかりやすいものをいくつか挙げておきましょう。

【惑星ポンペイ】人口コマ1個を隣接するいずれかの移動させる。


【惑星アクロポリス】この星の人口コマをどれでも1個、α党またはΩ党に移動させる。

解説:下記の「星フェイズ」で、もしα党の人口がΩ党より大きければ、人口コマが3個増えますΩ党のほうが大きければ、この星にシノビコマを置いている全員が2点を獲得し、両隣の星の人口コマを1個ずつ減らします

2)星フェイズ

 各星の星フェイズ効果1回ずつ解決します。
 上記の「シノビアクション」は個々のプレイヤーに適用されますが、こちらは星そのものに影響を与える効果で、自動的に発生します。ストレートなところでは「シノビコマを1個以上置いているプレイヤーは全員得点を獲得する下忍コマを受け取る」などです。
 隣接する星から人口コマ連れてきたり、隣接する星に追い出したりといった効果もとても重要です。
 前述したとおり、星の人口=得点ですから、多いほうが得なのは間違いないのですが、人口上限を超えてしまうと「人口爆発」が起こって半減してしまいます。
 こうした星フェイズの効果を見越して、自分が覇権を握っている星の人口をうまく調整できるか、あるいは人口調節がうまく行きそうな星の覇権を握れるかどうかがこのゲームの肝になります。
「シノビアクション」や「星フェイズ」の効果をすべて見たいという方は、こちらをどうぞ。

【「星フェイズ」効果の例――甲賀の里】
この星の人口コマ2個「忍」エリアに移動させる。この星の人口コマを2個増やす

解説「忍」エリアに置かれた人口コマは「下忍」コマとなります。「忍」エリアに下忍コマがあるときに、この星にシノビコマを配置したら「シノビアクション」(上述)として下忍コマを1個受け取ることができるのです!(もしくは「隣接する星から人口コマを1個奪ってくる」かです)。

3)決算

 星フェイズの解決が終わったら、お楽しみの「決算」です。星1つ1つについて、最も多くシノビコマを置いている(同値ならより左に置いている)プレイヤーが「人口コマ1個につき1点」、2位のプレイヤーはその半数(端数切り上げ)の得点を獲得します。
 その後、スタートプレイヤーが左隣に移ります。

 上記0)~3)4ラウンド行い、最も多く得点を獲得したプレイヤーが勝利します。
 流れを整理すると、「シノビコマをシノビ列にうまく配置し」→「その星固有のシノビアクションを有利に使い」→「星フェイズの効果を自分の味方につける」という感じでしょうか。
 ご覧のとおりゲーム進行自体はとてもシンプルです。ただ、「シノビアクション」「星フェイズ効果」いずれも使いたいものばかり。あれもしたい、これもしたい。でも、シノビコマが足りない、すぐには戦略が決められない! そんなときには、ゲーム中に手に入る下忍コマが大活躍! なのに、その下忍コマをゲットするにもシノビコマが……といったジレンマループが楽しいゲーム。

本格的なゲームを遊んでみたいけど、複雑なのはまだちょっと自信がない」という方にお薦め! もちろん本格ゲーム大好きなあなたの期待も決して裏切りません。
 長い解説に、最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
 話題のボードゲーム『ソラシノビ』、2016年4月30日(土)、いよいよ発売です!


とても大切な補足:グループSNE公募ゲームコンテストについて

ギャンブラー×ギャンブル!』、本作『ソラシノビ』につづき、第一回で佳作に選ばれた『正直者の罠』(ゲームデザイン:樫尾忠英)も『アニマルマインド』とタイトルを変えて2016年6月に発表の予定です。
 そして2016年4月現在、第二回「グループSNE公募ゲームコンテスト」が実施されています(応募締め切り2016年6月末日)。
 腕に覚えのあるみなさまもちょっと腕試しをしてみたいみなさまも、ぜひふるってご応募ください。応募要項はこちらです。

次に大切な補足:シールについて

 このゲームにはシノビコマに貼る「シノビシール」が入っています。
 もちろん、なくても遊べますし、ゲームにはとくに影響を与えません。
 でも、シールを貼ったら可愛さ倍増! お時間のあるときに、ちまちまと作業していただけたら嬉しいです。