犯人だと名指されたネコスキが何かを言うのを、あなたたちは待った。
だが、ネコスキは何も言わず、ただうつむいているままだ。
ネコスキはそのままVコミュからログアウトした。その後すぐにこのワールドが削除され、あなたたちは何もない無のワールドに飛ばされた。結局、あなたたちもVコミュからログアウトするしかなかった。
すでに時刻は朝。警察が来る時間だ。Vコミュからは逃げたように見えるが、現実で彼がいる場所は変わらない。あなたたちは、警察からの質問に対して、ネコスキが犯人だと証言した。警察が、ネコスキをどうしたのかは、教えてもらえなかった。特に報道もなかった。
あなたたちは、しばらくVコミュにログインすることはなかった。
縁を切ろうと思ったわけではない。また集まって、今回の事件とは関係のない雑談をすることもあるだろう。
あるいは、ふとこの日のことを話し合いたくなる瞬間もあるはずだ。しかしきっと、「思い返すのはよそう」と止められる。
その話を止めるのは、この中にいる本当の犯人だろう。