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株式会社グループSNEオフィシャルサイト

ボードゲーム・ストリート2016 インタビュー


 気が付けばもう10月。
 ゲームマーケット2016秋まで残すところあと2ヶ月となりました。12月開催なのに秋とはこれいかに。年末に向けて楽しみは増える一方です!
 そんな中やってまいりました
『ボードゲーム・ストリート2016』
 今回も
「安田均のボードゲーム紹介2016」をはじめとして、「ボードゲーム・リプレイ」「ウニ頭にもできるもん」等々、他にも濃厚な記事が盛りだくさん詰まっています。
 2015年に流行ったあんなゲームやこんなゲームを、独自の視点で解説、紹介している本書。
 今回、収まりきらなかったエピソードや裏話などを筆者である
安田均柘植めぐみに突撃インタビューしてきました!
 さぁ、どんな話がとびだすんでしょうか!?

 インタビュアーは、黒田尚吾が務めさせていただきます。

 『ボードゲーム・ストリート2016』
 (2016年10月3日発売)
 著:安田均/グループSNE
 表紙イラスト:平尾リョウ
 新紀元社
2016年9月
記事作成 黒田尚吾


■■ ボードゲーム・ストリートとは!?
―― よろしくお願いいたします。
安田 はい、よろしくー! パチパチ。
柘植 よろしくです。
―― 今回、初めての方もいらっしゃると思いますので、まず『ボードゲーム・ストリート』について説明してもらってもよろしいでしょうか?
安田 元々は『ボードゲーム・ストリート』じゃなかったんですよ?
―― と、いいますと?
安田 最初は『ボードゲーム ジャンクション』という名前だったんですね。『Role&Roll』という雑誌にずっとコラムを連載してて、それをまとめるという形で最初は5年間分をまとめました。「過去30年分のゲームをベスト100でまとめてやるー!」という形で出たのが『ボードゲームジャンクション』なわけです。
―― 30年ですか。ボードゲームの歴史の教科書みたいですね。
安田 まさしくその通りです! で、これが始まりという事なんですが、実はまだ市場に流通しているらしいので買ってください(笑)
―― 今、それがここにあるんですがすごい情報の密度ですね~。ボドゲ脳の僕はワクワクします!
安田 これこそベストという意気込みで作りましたから(笑) で、それがありがたいことに好評で、そこから毎年出していこうという事になったんです。その流れで生まれたのが『ボードゲーム・ストリート』なんですね。で、2011年から始めましたのでこれで6冊目となりました。
―― 6年目なわけですね。
安田 続いているのは皆様のおかげです。
柘植 ありがとうございます。


■■ 去年流行ったあんなゲームやこんなゲームが目白押し!
―― 本書めくっていきますとまず、カラーのボードゲーム紹介がババーン! と出迎えてくれるわけですよ。「ああ、去年流行ったなー。」ってヤツが掲載されてるんですよね。
安田 2016と銘打ってますが実際には去年のものでないとレビューできませんので、2015年の名作、佳作、傑作、そして怪作!? を取り上げてます(笑)
―― 本書に取り上げるゲームはどういった目線や基準で選ばれているんですか?
安田 毎月『Role&Roll』でボードゲームジャンクションコラムを掲載していますから。それで年に200点近くは最新のゲームを遊ぶわけです。それだけ数があれば1割20点ぐらい、は傑作があるだろう、ということで私がベスト16を選んでます。そのほかにもSNE社内で好評だったものや、リプレイに書き起こしたもの等、色々と取り上げてます。
柘植 その他にもゲーマーズゲームや、不思議な奇天烈ゲームまで幅広いゲームが載っています。こうやって見ると、掲載されているゲームはバラエティ豊かですね。
安田 遊びやすくて楽しいゲームなんかは、笠井道子の「ウニ頭にもできるもん!」というコラムで掲載されておりますし、「注目作クローズアップ」という記事を2ヶ月に1回掲載しており、そうした話題作も見どころのひとつですね。その後、座談会で「拾えていないゲームはないか」「これだけは取り上げたい!」というものをまとめて最初にカラーで掲載しています。
―― 僕も色んな媒体でボードゲームを調べたりするんですが、こんなゲームがあったのか!? というものが沢山載っているので、そこも魅力だなと思いました。
安田 そりゃ、ボードゲーム好きを4、5人集めると、必ず誰も知らないようなゲームがポーンと出てくるからね(笑) 例えば日本には『爆発子猫』というゲームは入ってないんです。これって、アメリカではキックスターターで出て、それこそ「爆発」的なヒットをしたゲームなんで、取り上げないのはマズいだろうと。そういう情報が、色んなところから入ってくるわけです。
―― 今回『ラストスパイク』というゲームも取り上げられていますが、ノーマークだったのがショックでした。遊んでみたらすごく面白くって! こういった発見と言いますか、ワクワク感がたまらないわけですよ。
安田 『ラストスパイク』の元になったゲームは40年も前で、それがリメイクされたという経緯があります。鉄道ゲームが大好きな笠井が大絶賛! 昔から『アクワイア』(ホテルを吸収合併させ株価を操作する経済ゲーム)が好きな人も、シンプルでプレイしやすく似ているという事で掲載しました。もちろん、SNEがずっとやってきたRPG、ストーリーゲーム的な分野のものも取り上げてます。『コンプレット』なんかはキミが引っ張ってきたゲームだしね(笑)
―― 『コンプレット』は神戸三宮のボードゲームショップ「トリックプレイ」さんで遊ばせていただいたのがきっかけでしたね。そういう意味では本当、色んなところで知らないボードゲームの出会いがあるなと感じます。
柘植 できるだけ日本で流通しているゲームを選びたい反面、世界の流れというものも意識してます。
安田 変わった、新しいものが好きな人は『ボードゲーム・ストリート』が絶対面白いと思います。ボードゲームを遊び始めて、「あれ? コレ面白いぞ」と思い始めた方に是非読んでいただきたいですね。「ホントに引きずり込まれちゃいますよ!」という自負を持って作ってますので。


■■ 去年がどんな年だったかを振り返る
―― 本書の「はじめに」という項目で、いつも社長がボードゲーム界隈の流れについてまとめているんですが、僕この記事が毎回楽しみなんです。
安田 年1回になるでしょう? やっぱりこれ書いていかないと、どういう風な経緯をたどってボードゲームが広がり、変化していくのか後になって分からなくなっちゃうんですよ。だからそれを出来るだけ公平に、フラットな視点で、さらに海外に出向いて感じたことを出来るだけ漏れがないように伝える事を意識しています。そこから得られた情報から、先を予想し背景を考察していくと。
―― 日々、SNSや情報サイトでニュースが流れてくるわけですが、全てが断片的ですから忘れちゃうんですよね。それをまとめて記事にして残していく事がすごく大切な事なんじゃないかと思うんです。
安田 最近は情報のスピードも早いからね。私は海外の方メインに視点が行ってるから、日本のボードゲームは他のスタッフにアンテナを張ってもらってます(笑) 1人じゃ見きれなくなっているんで。勿論国内のものでも話題作はプレイしていますが、全部チェックするのが無理なぐらいに数が出てます。
―― 去年だと「キックスターター」という単語をよく耳にしましたね。
安田 キックスターターはアメリカ発ですよね。ゲームの出し方が独創的というか、いかにもアメリカ的なものであって、ヨーロッパでも日本でも盛んにはなってきつつあります。アメリカでキックスターターによりボードゲームが沢山出たという背景があってのことなんですよね。
―― 日本国内でもボードゲームの動きは活発になってきていますよね。
安田 国内で目立ったのはゲームカフェでしょうね、君もやってるじゃない(笑)
―― 確かにそうですね、兵庫県姫路市で『B-CAFE』というお店をやらせていただいております(笑)
安田 これまでにない、新しい形として広がってきた最たるものだよね。小売りやプレイスペースの活気が凄いんですよ。メディアに取り上げられたのも、もちろんあるとは思いますが、その取り上げられ方も変わってきてるんですよね。私は雀荘に変わるものになるんではないかと思うし、一方でネットカフェであったりカラオケ的なものから変わってきた感じもするんです。いろんな形のボードゲームを遊ぶ環境が生まれてきているのがビックリしたり斬新だなと感じます。
柘植 実際に今回はボードゲームのカフェ事情についても記事を書いてもらってます。書いてるのがインタビュアー本人なワケですが(笑)
―― 本当に色んなプレイスペースが増えてきているので是非、実際に足を運んでほしいですね。
柘植 国内で言えば「ボードゲーム」という言葉をよく耳にするようにもなりました。
安田 今までは「枯山水」「人狼」「ワードバスケット」という単体で流行っていたものが、「ボードゲーム」という広い意味で取り上げられたり話題になったりしたのも興味深いですよ。
―― 「ボードゲーム」という、趣味であり文化であるものが広がってるのを最近感じます。
安田 あまり煽る感じでもないのも、ホッとしてるんです。単一のゲームだけが話題になっているのでは、一過性のもので終わってしまいます。そういう取り上げかたではなく、普通に紹介されてジワジワ広がってきている所がありがたいなと。


■■ ボードゲームの紹介記事
―― 話が横にそれてしまいましたが『ボードゲーム・ストリート』の華である、ゲームの紹介記事についてふれていきたいと思います。
安田 紹介記事ですが、書き方もちょっと変わってるんですよ。普通に書くとゲームの説明になっちゃうでしょ? 説明や紹介は皆さんよく目にするでしょうし、私たちはどう面白いかを上手く伝えたいという意識で記事を掲載しています。そのゲームが出た背景であったり、メカニズムや作者について等、強調したい部分をしっかり書くと。
―― 僕はそこがたまらないポイントなんです。まさに、プロの目線から見たゲームの紹介記事ですよ。
安田 だからこそ、ずっとこうやって出させていただいているのかもしれません。独自の切り口で評論してるわけですから。ただ、時々怖いんですけどね。
―― と、いいますと?
安田 もし、海外訳されてデザイナー本人に読まれていたりすることがあると、どっかに逃げなきゃ!(笑) 座談会は特にヤバい!
柘植 好き勝手、書いてますからね。
安田 レビューは真剣に書いてますよ、念のため。ただ、座談会は放談ですからね。「あんなこと言ってやがる!」と思われそうで!(笑) でも、楽しんでやらせてもらってます。


■■ 色んな記事が盛りだくさん!
―― 他にも色々な記事があります。「ボードゲーム リプレイ」「ウニ頭にもできるもん!」等々、おなじみのコーナーは今回も健在です。
安田 「ウニ頭でもできるもん!」は一種異色の記事ですよ(笑) 本来そういった記事は一般に馴染むよういくらでも書けるんだけど、ちょっとひねった感じで独自の世界観を醸し出してるんですよ。取り上げてるゲームはワイワイ楽しめるゲームが多いんですけどね。私は初期から高く評価してる記事なんですけれども、真面目な方には合わないかもしれません。
―― フニャッとしてるけど、しっかりエッジが効いてるんですよね。
安田 そうそうそう、僕も大好きな記事なんでぜひ読んでください!
―― さらに、今回アラカルトでは、魅力的な記事が沢山掲載されていますね。
安田 まずは「アプリで遊べるボードゲームが熱い!」ですね。こちらは柘植めぐみが担当しています。
柘植 近年は本格的なのが出てるんですよ。「宝石の煌き」とかは本当に遊びやすいです。お世話になってるイラストレーターさんが「やめられなくて困る」とこの前ブツブツ言ってました(笑)
―― クオリティの高いものも沢山出てきましたからね。
安田 数が多い分、ばらつきも激しいんですけどね。「これはちょっとね~」と、いうのもあります。ただ、ピッタリしたものは本当に面白いですよ! 『メディチ』大好きですし。
柘植 『メディチ』はボードゲームのアプリが出始めた初期からありましたよね?
安田 昔からありました。何度もプレイしていますし、いいプログラムですね。皆さんも自分に合ったものをぜひ見つけてほしいです。

―― 次は「日本人がデザインしたボードゲームが熱い!」の記事についてなんですが、近年、ゲームマーケットでのインディーズも含めてボードゲームの点数が凄いことになっていますね。
柘植 ここは外せないですね。
安田 だから難しいんですよ、日本のは。我々も作ったりコンテストもしているわけですから、書きにくい部分もあります(笑) だから、この部分はSNE若手の人たちに実際に遊んでもらって、「公平に本当に面白いと思ったものを書いてくれ」と指示しています。勿論、話題作も見逃してはいません。
―― 記事を書いている石野力もかなりのボードゲーム通ですからね(笑)
安田 彼もボードゲームが好きなんで、注意しつつ任せております。でも、もし、何か無礼があればすみません(笑)
―― 国内外、全てのゲームをこなすのは物理的に無理になってますね。
安田 そう、全部は出来ない。けれど、見る目は大事です。年間海外でも1000個は出てるでしょう。いくらやっても200が限界です。その200をどう選ぶかは私がずっとやってきた目で選んでいるんで、そこは信用していただきたいなと。
―― 選んで遊ぶ過程で何が一番うれしいですか?
安田 時々、思いがけないゲームにぶち当たると嬉しくてたまんないですよ(笑) 例えばなぜ『ウォンバットを救え!』を取り上げないんだってことなんです! あのゲームは難しい立ち位置にあって、子供がやるには少し難しくて、大人が見ると子供が遊ぶような見た目でスルーしちゃうんですね。でもすごくいいゲーム。
―― ウォンバットの目がうつろなのがいいですね(笑)
安田 しかもあの消化器で、いかにフンをして縄張りを広げるかという! でも、あの縄張りは凄く論理的で楽しい、すごい!
柘植 あれは不思議なゲームでしたね。
―― ぜひ、『ウォンバットを救え!』の記事は読んでほしいですね。
安田 そういうのを見つけるのが楽しくてしかたがない。勿論逆もあるんですけどね。期待したけど「んんん?」となるゲームとか(笑)。そして日本のゲームにもそういったワクワクしてくるようなものが現れ始めていて、本当にこれからだと思います。


■■ 世界のボードゲーム事情
―― そして今回はアメリカとアジアのボードゲーム事情についても取り上げられていますね。
柘植 今回初の試みということで非常に読み応えのある記事に仕上がっています。「アメリカのゲーム事情」秋口ぎぐる「アジアのゲーム事情」ゲームストア・バネスト中野将之さんに書いていただいています。
安田 アメリカでは先ほども少し話題に出ましたが、キックスターターの事についてかなり詳しく書かれていて、実際アメリカでそういった人達と彼はやりとりしていますから生の声が掲載されています。
―― こちらは製作者にとっても興味深い記事でしたね。
安田 そうですね、具体的にどういった事が起こっているのか分かりますし、日本からキックしている方にも読んでほしいですよ。
―― そして「アジアのゲーム事情」です。
安田 そう、コレ! これから伸びてくる部分だと思います。現に当社もアジアの何ヶ国かからオファーや打診が来たりしていますし、本当に肌で感じています。これはアジアに詳しいバネストの中野さんに記事をお願いしました。
―― 日本では知りえない情報が掲載されていたので、とても貴重な記事ですよね。
安田 他にもインドネシアタイなんかも活発になりつつあるんです。ボードゲームって実は世界中どこにでもあって、それが横に広がり進化して、表面化しつつあるという段階に来ている気はします。今まではドイツ、アメリカ、そして自分たちが住む日本の情報が主だったんですが、最近ではドイツだけではなくヨーロッパ全体が活気づいてきましたし、目立ったなかにオーストラリアも。
―― そういえばあまり聞きませんでした。
安田 ところが『イムホテップ』(2016年ドイツ年間ボードゲーム大賞ノミネート)、あれオーストラリアの方が作ってますからね。
柘植 ああ~!そういえばそうですね。
―― めちゃめちゃエジプトのゲームなんですけどね。
安田 あっはっは、確かに! でもその作者『カカオ』も作ってるじゃないですか。他にも何人かデザイナーがいて、これから伸びてくるんじゃないでしょうか。
―― 各国でゲームが出始めてそこで特色があると面白くなりそうですね。
安田 そうなんですよ。すごく楽しみ。でも、逆にマーティン・ウォーレス(鉄道ゲーム他で有名なデザイナー)はニュージーランドに行ってしまった! これからはニュージーランドかな(笑)。


■■ 日本のボードゲームプレイスペースについて
―― 次は「ボードゲームカフェ紀行」ということで。こちら僕が担当させていただきました。インタビューしながら自分の記事にふれるのはなんだか変な感じですね。
安田 そりゃもうこの記事はあなたが適任でしょう。どうでしたか? インタビューしてきて。
―― そうですね、各お店の方々に共通して言えるのは情熱が凄かったって事です。
安田 この頃はまだだったけど、君も自分で店を出して関係者になってしまったね。
―― そうですね(笑)なんとも複雑な心境です。
安田 楽しいでしょ? 怖かったり不安もあるだろうけど。
―― やりがいありますね、ずっとやりたかったことでしたから。
安田 広がっていく様を、じかに見れるわけだからね。来る人たちの輪がどんどん広がっていくわけじゃないですか。
―― やってみて思ったんですが、好きって気持ちは大事だと思いました。インタビューしてるときはまだ自分の店が本格稼働していなかったので「皆ボドゲが好きなんだなぁ・・・」って漠然と思ってたんですけど、店が稼働すると「ああ、自分も好きなんだなぁ」と自分の気持ちを再認識しました。じゃないとそれだけのパワー出ないです(笑)
安田 ただこういう、レストラン、喫茶店のスタイルから広がっていくというのは一種独特で、私は非常に注目してます。アメリカでも今になってカナダ、トロントあたりからそういったものが増えてきてますし。
―― ボードゲームカフェ、プレイスペースの形態自体も国内で多様化していますからね。例えばショップの横にプレイスペースが併設されているケースや、販売・カフェ・プレイスペース全てが一緒になっているものもあります。コーヒーや料理にこだわったり、キャッチ―なイメージを押す店があったりと、日本の中ですでに特色が出始めてる印象です。
安田 ある意味、アジアの特色かもしれないですね。韓国はもっと昔にあって、一回広がって一回しぼんでまた広がりつつあると。中国は爆発的な広がりを見せて2014年にチェーン店がつぶれて300店以上あったのが100店ちょっとになったんです。それでも多いわ!(笑) 日本はこれが初めての流れなので、面白い独自の形になるんじゃないかなと思ったりしてます。


■■ 沼へようこそ座談会
―― そして、お待たせいたしました「ボードゲーム大好き座談会2016」です。
安田 これが実は一番楽しい(笑)
柘植 本音が出ます、本音が。
安田 6年続けてきたけど、毎回企画が出るんで面白いんだよ。
―― 今回僕初めて参加させていただいて、何時間でもできるなと思いました。
安田 いやいや、ほんと楽しいでしょう? 一回店で食事しながらやったら、あまりにも長くわーっと盛り上がりすぎて他の方の迷惑なったという。
柘植 みんな話し出すと止まらないですからねぇ。
―― 各々が好きなゲームについて自論語ってるわけですからね。そりゃ長くもなりますよ。
安田 司会からして、元SNEの刈谷君が仕切ってくれてるわけです。非常にうまくまとめてくれているんで、ありがたいです。
―― こういった、くだけた場だからこそ出ちゃった発言とかも、割としっかり掲載されてるのが座談会の凄い所ですね。あと、参加者の隠されたボードゲームの好みがわかる所も面白いですね。
安田 それがね(苦笑)
柘植 ある程度、この人はこういうゲームが好きだろうと予想するんですけど、ちょっと違ったゲーム選んだりとか。人の裏をかいて喜ぶ人とか、ココでもゲームしてるのかよ! って言いたくなる人とか。
安田 みんな出し抜こうとしてるあたり、ボードゲーマーだよ。
―― 人の挙げたゲームについてあーだこーだお喋りするのも楽しいんですよね。ボードゲームギークの会話をそのままお届けという、凄まじい記事だと思います。
安田 そうね、何言ってるか分からないかもしれませんが、楽しんでるという雰囲気だけは伝わると思います。
―― 早くこっちの沼へおいでよという事で一緒に楽しんでいただきたいですね。
安田 沼か、はっはっは!
柘植 沼だったのか……


■■ 最後に
―― と、いうわけで最後になりましたが『ボードゲーム・ストリート』を毎年刊行する意味について聞いてもよろしいでしょうか?
安田 アナログ的にどういう年であったのかという、1種の社会的、文化的なものとして本書を残したいんです。そういった形でとらえてもらったら、凄くうれしいですよ。
―― ボードゲーム界隈の軌跡ですね。
安田 そうです。例えば「協力ゲームがどうして増えてきたのか?」とかね。昔は戦闘ゲームやウォーゲームといったプレイヤーの直接攻撃が多かったのに、今はそうじゃないんです。直接攻撃型のゲームが悪いとかじゃなくて協力型ゲームという形が出来たっていうのは、システムが発展してきているのと同時に、社会文化的にも、皆でワイワイ楽しめるものが求められているんじゃないかと思うんですよ。RPGからきたものが新しいボードゲームタイプになってるとかもあるでしょうし。そういう、文化状況的な面も含んで、こういった本にまとめておいたら、後になって絶対意味があると私は思います。
―― なるほど。そういったメッセージがこめられていたんですね。
安田 こんな面白いゲームがある! とか探してもらっても、もちろん結構です! 硬くとらえないでくださいね。早く泥沼へおいでよとは思いますが(笑)
一同 爆笑
―― というわけで、長い時間ありがとうございました! 最後に一言お願いします。
安田 来年はどんなゲームが掲載されるか、今から予測するのも楽しいかもしれません。そのためにも『ボードゲーム・ストリート2016』もよろしくおねがいいたします。
次はもう少し早く出したいですね!
柘植 締め切り大変ですが、頑張りましょう(遠い目)
安田 というわけで来年もよろしく!